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「私を大切に思うなら、解任してくれ」フィオレンティーナのグロッソ監督に何が? 続投濃厚から“急転解任”の舞台裏【コラム】

フィオレンティーナの監督を解任されたファビオ・グロッソ
フィオレンティーナの監督を解任されたファビオ・グロッソ【写真:Getty Images】



 続投とみられていたはずが、事態は一夜にして急変した。クラブ創設100周年のシーズンに大型補強を敢行したフィオレンティーナは、セリエA開幕3連敗。現地時間9月6日深夜、就任したばかりのファビオ・グロッソ監督の解任を発表した。なぜ、クラブはわずか3試合で指揮官を見限ったのか。「私を大切に思ってくれるなら、解任してください」。現地で報じられた言葉からは、ピッチ上の結果だけでは説明できない混乱が浮かび上がってくる。(文:佐藤徳和)[2/2ページ]

グロッソは「指導不能」状態に

モイーズ・キーン
シーズン開幕後にフィオレンティーナを去ったモイーズ・キーン【写真:Getty Images】



 グロッソはとりわけ、サイドに優れた選手の補強を望んでいたとみられるが、それは実現しなかった。

 また、グロッソにも、与えられた駒でチームを構築するという柔軟性を欠いていたことも指摘される。

 一方で、エースのキーンがシーズン開幕後にチームを去るという事態にも見舞われ、グロッソにも弁解する余地はあるのかもしれない。

 もはや、グロッソは「指導不能」状態に陥っていた。フィオレンティーナは今後、2年間の契約が残るグロッソについて、契約上の義務違反などがなかったかを正式に確認し、責任を問うための懲戒手続きを進めるという。

 つまり、単に監督を解任して契約を終わらせるのではなく、グロッソ側に契約上の問題があったと認められれば、それを理由に契約を解除する可能性があるということだ。

 そうなれば、クラブがグロッソに残りの契約の報酬を支払うこともなければ、グロッソが今後、再びフィオレンティーナの指揮官に返り咲く可能性も事実上なくなる。

 斯くして、昨季と同じように、フィオレンティーナはシーズン序盤戦から大混乱に陥り、当面の目標は降格圏脱出となった。

 今夏は、ミラン、ユーヴェに続くリーグ3位の大型補強を行っていることから、戦力的にはここからの巻き返しは十分に可能だろう。

 けれども、優れた選手が揃っているからといって、必ずしもチームが強くなるわけではない。

 ヴィオラの未来はヴァノーリに託された。クラブ創立100周年という記念すべき年に、セリエB降格という汚名は絶対に避けなければならない。

(文:佐藤徳和)

【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru

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