日本代表に初選出された横浜F・マリノスの谷村海那【写真:編集部】
横浜F・マリノスは9月18日、あす19日の水戸ホーリーホック戦に向けてトレーニングを行った。日本代表に初選出されたFW谷村海那が練習後、横須賀市内のクラブハウスで取材に応じ、初めて日の丸を背負う喜びと、JFLから歩んできた自身のキャリアを振り返った。
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「あのときに逃げなくてよかった」28歳でつかんだ日の丸
9月17日、9・10月の国際親善試合4試合に臨む日本代表メンバー31人が発表された。FIFA北中米ワールドカップ(W杯)を戦った20人を中心とする構成の中、谷村海那は初めて日本代表に名を連ねた。
「正直、びっくりしてるのが一つと楽しみです」
代表選出を知ったのは、練習を終えた直後だった。チームメイトが集まる中、鈴木健仁スポーティングダイレクターから伝えられ、その場で初めて知ったという。
「練習終わりに、みんな集まって、(鈴木)健仁さんに『代表選ばれました』って言われて、自分もそのときに初めて知ったので、正直驚きが1番でした」
28歳で初めてつかんだ日の丸。世代別代表を含めても代表経験はなく、岩手・花巻東高校、国士舘大学を経て、2020年に当時JFLのいわきFCへ加入してから、J3、J2を経てJ1へとステップアップしてきた。
その道のりは、決して順調だったわけではない。いわき加入1年目は、1年間を通して試合出場が「100分いくか、いかないかくらい」。思うようにプレーできず、「やってられるかよ」と感じることもあったという。
当時の自分にどんな言葉をかけたいかと、報道陣から質問が飛ぶと、谷村は「本当に1年目とかはダメダメで、腐ってるって言ったらおかしいですけど、ダメダメだった状況をコーチとかにいろいろ話しかけてもらって、それを乗り越えてここまで来たので、あのときに逃げなくてよかったなとは伝えたいなと思います」と当時を振り返った。
監督やコーチから「このままじゃダメだぞ。このままじゃ1年で終わるぞ」と言われ、走ることから取り組み直した。食事も変えた。そうした積み重ねが、現在につながっている。
「本当、挫折しそうなときもありましたけど、それでも諦めず、小さいことを積み重ねてきたことがここまで来れたのかなと思います」
いわきではJ3、J2昇格に貢献し、2024シーズンは38試合18得点でJ2ベストイレブンに選出された。2025年7月、横浜F・マリノスに完全移籍加入すると、15試合6得点でJ2降格危機にあったクラブの残留に貢献。百年構想リーグは1位タイの10得点を挙げ、今季もここまで7試合6得点と得点ランキング2位タイ、日本人ではトップタイにつけている。
その活躍を間近で見てきたチームメイトからも、代表初選出を喜ぶ声が上がった。宮市亮は「海那のプレーがマリノスを救ってくれてると思いますし、彼の経歴から代表に入るところが、サッカー界においてもすごく希望になる」と語った。
森保一監督も、「点を取る過程で、チームの戦術の中でより多くの場面に関わりながら最後に点を取ることができる。全員攻撃、全員守備ということで考えたとき、彼がチームにフィットして点を取れる、チームを勝たせてくれるプレーをしてくれる」と期待を寄せる。
谷村自身も代表で結果を残すイメージを描いている。
「日本代表で得点を量産するのが自分の目標なので、それを叶えられるように、そしてチームを勝たせられるように頑張りたいと思います」
さらに、世界で戦う選手たちとプレーすることで、自身の現在地を確かめたいという。
「世界でどこまで通用するのかを試せるチャンスなので、それで足りないものがあれば、自分で努力するしかないですし、そのようなことを学んで、ワールドカップまでに成長できたらなと思います」
JFLから始まったキャリアは、28歳で日本代表という舞台へたどり着いた。今度は世界を相手に、新たな一歩を踏み出す。
(取材・文:竹中愛美)
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