
名指揮官の元右腕でダメダメだった監督5選【写真:Getty Images】
サッカーの世界では、「名選手、必ずしも名監督ならず」という現象がしばしば起きる。選手と監督では求められる能力が大きく異なるからだ。では、監督を補佐するコーチはどうだろうか。名将のすぐそばで意思決定に関わる“名参謀”なら、監督としても成功しそうなものだが、現実はそう甘くない。今回は、名指揮官の右腕として高く評価されながら、監督としては結果を残せなかった5人を紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照(9月15日時点)。[3/5ページ]
ポール・クレメント

カルロ・アンチェロッティの右腕を務める、現ブラジル代表アシスタントコーチのポール・クレメント【写真:Getty Images】
生年月日:1972年1月8日
アシスタントコーチを務めた監督:カルロ・アンチェロッティ(チェルシー、パリ・サンジェルマン、レアル・マドリード、バイエルン・ ミュンヘン)
監督を務めたクラブ:ダービー・カウンティ、スウォンジー・シティ
監督成績:公式戦73試合27勝17分29敗(勝率37.0%)
【アンチェロッティからの絶大な信頼】
カルロ・アンチェロッティがいるところにポール・クレメントあり。そう言って差し支えないほど、アンチェロッティは新たなクラブの監督に就任するたびにクレメントを呼び寄せた。
チェルシー、パリ・サンジェルマン、レアル・マドリード、バイエルン・ ミュンヘンで名将の右腕となったことを踏まえれば、クレメントにも優れた指揮官としてのDNAが組み込まれそうなものだ。
しかし、監督を務めたダービー・カウンティとスウォンジー・シティでは結果を残せずに解任され、トップリーダーの資質に欠けていたことを露呈してしまった。
アンチェロッティほどの名将が何度も補佐役として選んでいるという事実からも、クレメントが優秀な参謀であるのは間違いない。イギリス紙『ガーディアン』によれば、クレメントはアンチェロッティのサポートだけでなく、ズラタン・イブラヒモヴィッチやクリスティアーノ・ロナウドをトレーニングでどう刺激するかまで担当していたという(2015年12月16日掲載)。
【監督になって露呈した課題】
だが、監督としてトップチームを預かるとなると、アシスタントコーチ時代とは全く異なる能力を求められる。
たとえば、長期的にチームをマネジメントする力。ダービーでは2015/16シーズン途中までチャンピオンシップ(イングランド2部)で5位につけていたものの、その後に急失速。7試合勝利なしとなり、2016年2月に解任された。スウォンジーでも降格圏に沈んだチームを立て直してプレミアリーグ残留に導いたが、長期的な安定を築けずに就任から11カ月後の2017年12月にクラブを追われている。
アンチェロッティがチームの大枠を作り、クレメントがトレーニング・個別指導・戦術実装を担う形は非常によく機能した。
ただ、クレメントには試合中の即時判断や、チーム全体を設計する能力が足りなかったのかもしれない。