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「自分は左ワイドが一番やりやすい」。7か月の離脱を経て復帰した小屋松知哉、名古屋グランパスで模索する“立ち位置”【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images

名古屋グランパス 小屋松知哉

名古屋グランパスの小屋松知哉【写真:Getty Images】



 9月19日のFC東京戦、名古屋グランパスは1点を追う展開のなか、79分に小屋松知哉をピッチへ送り出した。約7か月の離脱を経て、8月末に公式戦復帰を果たしたばかりの31歳は、マテウス・カストロとの2トップで反撃を託された。左ワイドを本職とする小屋松にとって、決して慣れ親しんだ役割ではない。それでも、いまの名古屋で生き残るために、さまざまなポジションで自らの価値を示していく必要がある。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ] 

【2026/27明治安田J1リーグ第8節】
2026年9月19日 FC東京 1-0 名古屋グランパス
(MUFGスタジアム)

「どう適応していくか」。小屋松知哉が名古屋に還元する10年以上の経験

名古屋グランパス 小屋松知哉 

「やっぱり自分は左ワイドが一番やりやすい」という小屋松知哉だが、名古屋にどう適応していくのか【写真:Getty Images】


 2トップで出るとき、シャドーで出るとき、左WBで出るときと、今の小屋松はさまざまな起用法を想定し、ベストを尽くさなければならない。そのうえで、目下、名古屋に一番欠けているゴールに貢献していくことが肝要だ。

 8試合を消化して7得点というのは、明らかにペトロヴィッチ監督にとって誤算だろう。そこに小屋松が貢献してくれれば、もっともっと出番は増えるはず。百年構想リーグでの出遅れを取り返すべく、本人もここから巻き返していく構えだ。

「ミシャが札幌(北海道コンサドーレ札幌)や浦和(レッズ)とかでやってきたのを見ていますけど、一個、噛み合わないとなかなか難しいサッカーではあると思う。1つずつ積み上げていくところで今はズレが出ているのかなと感じます。

 自分もいろんなチームで長くやってきた経験もあるので、どう適応していくかを考えないといけない。選手たちがうまく試合で噛み合っていけるように自分自身もやっていかないといけない」と小屋松は10年以上の長いプロキャリアの経験値を注ぎ込んで、浮上のキーマンになるつもりだ。

 2025年の柏を思い返してみると、リカルド・ロドリゲス監督の目指すスタイルが瞬く間に浸透していった。小屋松自身も過去にないほどの爆発的なパフォーマンスを示していた。その成功体験を名古屋に還元することは十分可能なはずだ。

「レイソルがうまくいったのはいろんな要素がありました。リカルドが本当に優秀な監督だし、楽しいサッカーができていたのも間違いない。今の名古屋はそのやり方とは全然違うし、自分もワイドで出ることが少ないんで難しいですけど、違う役割も含めて自分なりに考えながらやらないと。リーグ戦が3週間空くこの期間を大事にしたいです」

 31歳のマルチプレーヤーはミシャサッカーの救世主になれるのか。小屋松の本当の勝負はここからだ。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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