サッカーU-21日本代表は26日、第20回アジア競技大会の準々決勝で北朝鮮と対戦し1-0で勝利した。この一戦について、現役時代に横浜F・マリノスや川崎フロンターレでプレーし、現在は解説者として活躍する元プロサッカー選手の田中裕介氏に話を聞いた。(語り手:田中裕介)[5/5ページ]
「北朝鮮の評価が上がった。ただ…」
――試合が終わりました。1-0で日本が勝利しました。
「非常に苦しい試合でした。北朝鮮がプレッシャーを1試合を通して継続して日本に向かってきた事でなかなか保持の局面で落ち着く時間帯が作れませんでした。
しかし、チーム全体で身体を張って守り、ワンチャンスをモノにしたンワディケ、ビックセーブでチームを救った荒木。個の力が光り次に駒を進めた事は好材料でした」
――北朝鮮はいかがでしたか?
「縦に速く、サイドも鋭さがありました。全体の統率も取れていて、最後まであきらめない精神力の強さは日本を最後まで苦しめたと思います。最後の質の精度を欠いていたのが日本からすると助かりました」
――3年前の印象があるので、今日もラフプレーへの怖さがありましたが、全体的に北朝鮮のアプローチという部分はどう評価していますか?
「日本への対策をよく練ってきていたと思いますし、前回よりダーティーな印象は薄れ、チームの評価としては上がりました。
ただ、あくまでプレー面のみの評価で、日本の得点後にプレーを再開しなかったり、試合後の整列や握手をしなかったような報道も出ているので、スポーツマンシップの面では改善の余地があります」
――グループリーグとは全く違う試合になったと思いますが、こういう試合を乗り切るとやはりチームとして自信はつくものでしょうか?
「決勝トーナメントに入り、負ければ敗退が決まる中でこういう試合を制した事は大きいと思います。トーナメントで1番大事なのは結果です。勝つ為に全員がハードワークをしていた事は自信に繋がります」
――今回の試合で見えた日本の課題はどういった部分にありますか?
「保持の局面ではもう少し丁寧に繋げると思います。後半、日本が押し込んだ時間帯のようにテンポよく良い距離感で顔を出していけばボールロストは減らせるはずです。
ミスでタッチラインに簡単に出してしまったり相手にボールを渡す事で疲弊してしまう事が今日の試合で感じました。あとは前線からの連動した守備もあまり機能していなかったので、そこの擦り合わせも必要かと思います」
――前線からの連動した守備について、具体的にどういうところに問題があったのでしょうか?
「ファーストDFの方向付けとそれに対して後ろがしっかりと付いてきてるか。追い込んで奪い切るには両方が必要ですが、そこの部分の統一感があまり感じられなかったと思います。
これに関してはチームの決まり事があるので、今日のゲームプランの中でどれだけのものを設定していたかはわかりませんが、あまり機能していたようには見えませんでした。北朝鮮の切り替えが早くセカンドボールの回収にも苦労していました」
――次回の相手はウズベキスタンです。
「近年アンダーの大会では目を見張るほどの好成績を残していますし、フル代表は初のワールドカップ出場を果たして、国として勢いがあります。
プレミアリーグのマンチェスター・シティに所属するDF(アブドゥコディル・)フサノフのような若いタレントを輩出するなど、この世代のタレントには定評があります。フィジカルとテクニック両方を兼ね備えた選手が多くいるので警戒が必要です」
【語り手:田中裕介】
SHIBUYA CITY FCスポーツダイレクター。サッカー解説者。(Jリーグ、欧州サッカー、FIFAワールドカップ2026など国内外の試合で解説を担当)
【了】




