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コラム 17時間前

「全然悪くなかった」久保建英が見た若手の挑戦。それでも見えた日本代表“主力組との差”【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images
サッカー日本代表 久保建英

サッカー日本代表 久保建英【写真:Getty Images】



 フレッシュなメンバーを多く起用したベネズエラ戦で、若手アタッカー陣はA代表の強度を体感。一方、後半から登場した久保建英ら主力組は、最後に試合を勝利へと導く力を示した。かつて同じように代表で壁にぶつかった久保の言葉から、若手が主力へたどり着くために必要なものを考える。(取材・文:元川悦子))[1/2ページ]

【キリンチャレンジカップ2026】
日本代表 2-1 ベネズエラ代表
エディオンピースウイング広島

フレッシュなメンバーで臨んだ一戦

サッカー日本代表(ベネズエラ戦スタメン)
代表初キャップ4名がスタメンに名を連ねたベネズエラ戦【写真:田中伸弥】



 来年1月に開幕するアジアカップ(サウジアラビア)制覇を目指し、チームの底上げを積極的に図っている日本代表の森保一監督。小久保玲央ブライアン、中野就斗、熊坂光希、齋藤俊輔という初キャップ4人を先発起用した28日のベネズエラ戦はその色合いがより一層、濃いゲームとなった。

 特に攻撃陣は1トップ・後藤啓介、シャドーの佐藤龍之介、齋藤というロサンゼルス五輪世代トリオが揃ってスタメンに名を連ねた。

 彼らは年代別代表では共闘したことはあっただろうが、やはりA代表となると、重圧も強度も全然違う。その難しさが、何度か訪れたビッグチャンスを逃す結果につながってしまったのかもしれない。

 特に大きかったのは、緊急出場した田中聡からのスルーパスに後藤が抜け出した34分の決定機。背番号「9」はGKとの1対1を外し、「ああいうところをしっかり決められないと生き残っていけない世界」と悔しさをにじませた。

 この6分後にカウンターからシュートを打たずに齋藤へのパスを選択した佐藤も「今、思うと打ってもよかった」と振り返る。

 それでも、決め切れないままスコアレスで終わった若手組を主力組の久保建英は前向きに評価した。

主力投入で一変した後半

サッカー日本代表 久保建英

後半開始からピッチに立った久保建英【写真:Getty Images】


「前半ポケットを取る部分とか、ワンツーで行く部分、人に強い選手が多かったんで、そこは後半の僕らの学びになりました。間で受けたり、いいパスを何本も通していたし、収められる場面もあったし、全然悪くなかった」と彼は前向きに評価した。

 ただ、「いい内容」というだけでは勝てないのがサッカーだ。2019年6月のエルサルバドル戦での初キャップから代表52試合目を数える久保はそれを痛感してきたはず。

 後半から伊東純也や上田綺世らFIFAワールドカップ(W杯)2026北中米大会の主力組と5人で投入されたのだから、一気に流れを引き寄せないといけない。そういう意識を持ってピッチに入ったはずだ。

 しかし、彼らは後半開始1分も経たないうちに失点。そこから3分後に伊東のスーパーなスルーパスに上田が抜け出し、同点に追いつき、そこからは日本が攻め込んだ。

 鈴木彩艶のロングキックから上田、伊東とつながり、久保が背後に抜け出した9分の崩しなどは、強度や精度、スピード感含めてピカイチ。前半とは明らかな差があった。

 そういう展開でも追加点が取れず、試合は終盤へ。交代枠を使い切った後に渡辺剛が負傷し、日本はまさかの10人での戦いを強いられた。

 そして後半アディショナルタイム。堂安律からボールを受けた久保はロングドリブルでペナルティエリア内に侵入した。いったん中に折り返したボールが戻ってきた瞬間、レアル・ソシエダの同僚であるヤンヘル・エレーラに足を踏まれた。

 だが、その時点では試合が止まらず、日本はカウンターを受け、鈴木淳之介が相手にPKを献上したかと思われたが、遡ってVARが介入し、日本にPKが与えられた。

「超えていきたい」と語る佐藤。久保も苦闘した主力への道

サッカー日本代表、佐藤龍之介

久保と同じラ・リーガでプレーする佐藤龍之介【写真:Getty Images】


 これには相手選手たちが激怒したが、久保は「絶対に足を出してくるなと思ったんで、読み通りでしたね」と涼しい顔。これをエース・上田が決め切り、日本は24日のウルグアイ戦に続いて後半アディショナルタイムのゴールで2連勝を達成した。

「1人少ない状況で、今は練習試合ですけど、決勝トーナメントだとああいう可能性もある。あそこで延長もあると考えた時、狙いに行く姿勢は大事」と本気でアジアカップ制覇を考えている久保は勝利の重要性を強調した。

 こうやって試合を勝たせられるところが、彼ら主力組の凄さなのだろう。豊富な代表経験に裏打ちされた冷静さと余裕は、前半先発した若いアタッカー陣にはないものだった。

 久保と同じラ・リーガでプレーする佐藤は「自分たちと比べてスピード感とかはあるかなと思いましたけど、そんなに大きく届かないということはない。自分もそのレベルに達する自信もありますし、ああいった選手を超えていきたい」と力を込めたが、その領域に至るまでの苦労を久保自身は誰よりもよく分かっているはずだ。

 思い起こせば18歳で初キャップを飾った久保はレギュラーの座をつかむまで予想外の時間がかかった。「自分が、自分が」とエゴを出そうとするあまり、空回りするケースも少なくなかったからだ。

 2022年カタールW杯アジア最終予選の時はケガでチームを一時的に離れる羽目になり、2022年6月のガーナ戦で初ゴールを挙げるまで約3年もの月日を要した。

 2022年W杯は守備のハードワークを求められるばかりで仕事ができなかった。日本代表で継続的に存在感を高め、主力としての立場を確立していったのは、2023年以降の第2次体制からだったのだ。

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