
サッカー日本代表 田中碧【写真:Getty Images】
W杯北中米大会のブラジル戦で味わった悔しさを、田中碧は成長へのエネルギーに変えようとしている。プレミアリーグで守備強度を磨き、エクアドル戦では佐野海舟とともに中盤を支えた。30歳を目前にしたボランチが、再浮上への道を歩んでいる。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「もっともっとやらなきゃいけない」
スイッチを入れる縦パスを差し込むなど、攻撃面でも奮闘した【写真:Getty Images】
その重要なファクターが守備強度の向上だ。プレミアでの活躍、今の代表での長谷部コーチのアプローチもプラスに働いているが、エクアドル戦では佐野海舟とともにピンチの芽はほとんどつぶしていた。
「今回はリスク管理に重きを置いていたんで、海舟と自分のところでボールを取り切れるシーンがすごく多かった」と本人も納得の仕事を見せられた様子だ。
一方、持ち前の配球力の部分でも随所に特徴を発揮していた。1つ印象的だったのが、25分の谷村海那に出したミドルレンジの縦パスだ。
これが通り、谷村が落としたボールを鈴木唯人がフィニッシュ。シュートは惜しくも枠を外れたが、この一刺しに磨きをかけていければ、攻撃陣の重要なアクセントになれる。攻守両面で手ごたえを得られた一戦になったと言っていいだろう。
結局、彼は79分に前田大然と交代し、PK戦をベンチで見守ることになったが、PKだろうが何だろうが勝利は勝利である。彼にとってもいいリスタートの試合になったことは間違いない。
「今日は勝ち切れなかったですけど、負けに値するかと言われたらそうではなかった。でもチャンスを作れたかというと、ビルドアップも含めて反省はある。そこをもっともっとやらなきゃいけないですね」と本人も振り返る。結果だけでなく、内容にも改善の余地があると感じているようだ。
その部分と真摯に向き合い続けられるのが田中碧の良さだ。ここからも一歩一歩前進して、4年後にはブラジル戦のミスを完全に払拭するくらいの爆発的なスケールアップを遂げていてほしい。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子 フリーライター】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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