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4年前は3人失敗→今回は全員成功。日本代表、PK戦は「挙手制」から「指名制」へ。アジアカップへ向けた実戦シミュレーションに

text by 編集部 photo by Getty Images

サッカー日本代表
約3年10か月ぶりのPK戦で勝利した日本代表【写真:Getty Images】



 4年前、日本代表はPK戦の末にワールドカップから姿を消した。当時はキッカーを立候補で決め、4人中3人が失敗。それから約3年10か月。エクアドル代表戦で再び迎えたPK戦では、5人全員が成功した。変わったのは、キックの結果だけではない。



「挙手制」から変わった日本代表のPK戦

 日本代表は1日、キリンカップサッカー2026でエクアドル代表と対戦。90分を0-0で終えると、PK戦を5-4で制した。

 FIFAワールドカップ2022のベスト16・クロアチア代表戦では、立候補した選手の中からキッカーを決定し、4人中3人が失敗。しかし、そのやり方はすでに見直されていた。

 2024年1月、AFCアジアカップ2023の決勝トーナメント1回戦・バーレーン代表戦を前に、森保一監督はクロアチア戦を振り返り、選手に結果の責任を負わせないためにも、自身がキッカーを決める形の優先順位を高くしたいとの考えを明かしていた。

 さらに今年6月のFIFAワールドカップ2026・ラウンド32、ブラジル代表戦前にも、PK戦になれば挙手制ではなく、自らキッカーと順番を決めて選手に伝える方針を明言していた。

 そして今回のエクアドル戦。約3年10か月ぶりに迎えたPK戦で、その具体的な運用方法が見えた。

 森保監督によれば、試合終了間際に中村俊輔コーチからキッカーと順番の提案を受け、自身が最終確認。一部を変更したうえで選手たちに伝えたという。

「中村俊輔コーチが私に順番、キッカーを提案してくれて、そこで私は最終的に確認をして、変更するところは変更して、選手に伝えるということで、今日はPK戦に挑みました」

 最終的な決定権は森保監督にある。一方で、実際のキッカー選定では、中村コーチの果たす役割が大きいこともうかがえる。

 5人目の前田大然で決着したため出番はなかったが、塩貝健人は7番手に指名されていた。試合後、塩貝が森保監督に「俺、PK下手そうっすか?」と尋ねると、返ってきたのは「俊輔さんにアピールしろ」という言葉だった。

 今年4月に日本代表コーチに就任した中村コーチ。 キッカーと順番を提案するだけでなく、日々の練習やデータを踏まえた選手の評価でも、大きな役割を担っていることがうかがえる。

 準備はキッカーの選定だけではない。


 森保監督によれば、北中米ワールドカップに向けてPK練習のボリュームを増やし、個々の間合いの取り方や、どのようなイメージで蹴るのかを整理してきたという。

「個々がどういうイメージで蹴るかっていうところを、しっかり持って、自信を持ってPKに挑めるように。チームとしてどういう姿勢でPKに挑むかっていうことは練習はしてきました」

 さらに、日本の選手たちはPK戦でセンターサークルのゴール寄りに並んでいた。前田によれば、キッカーが一人で歩く距離を少しでも短くし、緊張を軽減するための工夫だという。

「歩いてる時って一番選手って緊張するので、それをちょっとでも少しでも短く」

 4年前は立候補した選手たちに託したPK戦。現在はスタッフがデータを蓄積し、中村コーチがキッカーと順番を提案し、森保監督が最終決定する。GKへの情報提供や選手の立ち位置に至るまで、細部を詰めている。

 森保監督は今回のPK戦を「今後のシミュレーションとして機会を得られたことは、チームにとってもプラス」と捉えた。

 もちろん、ワールドカップとキリンカップでは、選手にかかるプレッシャーも同じではない。それでも、5人全員成功という結果以上に見えたのは、PK戦を個人の度胸に委ねるのではなく、チームとして準備するものへと変えてきた日本代表の姿だった。

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