
U-23韓国代表戦のあとのU-21日本代表【写真:Getty Images】
U-21日本代表はアジア競技大会の男子サッカー決勝でU-23韓国代表に0-1で敗れ、銀メダルに終わった。この試合の先発11人の市場価値を比べると、韓国は日本の約2.4倍の格上。個の力に加え、後半に勝負を決める韓国のゲームプランを崩せなかった一戦を振り返る。
それでも持ち味を見せた両サイドバック
日本は2018年のジャカルタ大会、前回の杭州大会に続き、3大会連続で決勝の日韓戦に屈した。韓国は大会4連覇を達成している。
市場価値や海外組の人数には、試合前から明確な差があった。移籍情報サイト『Transfermarkt』によると、韓国の総市場価値は2,705万ユーロ(約48億6,900万円)で、日本の1,565万ユーロ(約28億1,700万円)を大きく上回る。海外組も韓国の9人に対して、日本は4人だった。
この日の先発11人に絞ると、韓国の約1,473万ユーロ(約26億5,000万円)に対して、日本は約608万ユーロ(約10億9,000万円)。韓国は日本の約2.4倍となる。
韓国はU-23世代にオーバーエイジ3人を加えた編成で、先発の平均年齢は22.5歳。ペ・ジュノ(ストーク・シティ)、オム・ジソン(スウォンジー・シティ)、ヤン・ミンヒョク(KVCウェステルロー)が並ぶ2列目は、3人だけで市場価値が1,000万ユーロ(約18億円)に達し、日本の先発11人の合計を上回っていた。
実際、ピッチ上でもこの2列目は強力だった。その力を直接受け止めることになったのが、日本の両サイドバックだ。それでも、左の佐藤海宏(アルビレックス新潟)と右の梅木怜(FC今治)は、それぞれの持ち味を発揮する場面を作った。
佐藤は15分前後まで相手の圧力に苦しみ、スペースが空いていても前進できないシーンが続いた。だが、30分を過ぎた頃には最前線の嶋本悠大にボールを預けられるようになり、自身も前へ出る場面が増えていった。
54分には、右からのクロスのこぼれ球が韓国の選手のもとへ転がったが、これに反応した佐藤は死角からプレスをかけて奪い返す。このプレーは横山夢樹の決定機につながっており、後半にはチャンスの演出でも存在感を示した。
なお、そのクロスを送り込んだのは梅木である。オム・ジソンと対峙しながら、攻撃にも果敢に参加した。そのうえで、日本の背番号「2」は、両チーム最多となる6回のこぼれ球奪取を記録している。
終始イ・ミンソン監督の想定内だったかもしれない
しかし61分、ボールを保持していた佐藤がヤン・ミンヒョクとの競り合いで奪われ、サイドを突破された。ライン際から送られたクロスにGK荒木琉偉が指先で触れて軌道を変えたものの、中央で待っていたオム・ジソンがボールを収める。梅木がシュートを阻もうとしたが、かわされてゴール左上を射抜かれた。
先ほどまでチャンスを作っていた2人が、失点に絡む形となった。随所で役割を果たしていた両サイドバックだったが、この場面ではヨーロッパでプレーするアタッカーの力を見せつけられた。
ただ、個々の対応以上に課題として残ったのは、韓国のゲームプランを崩せなかったことだ。韓国は決勝までの4試合で12得点を挙げ、そのうち7得点が61分以降に生まれていた。
この日も、61分にオム・ジソンが得点。途中から運動量とボール奪取に優れたカン・サンユンを投入したのも、準決勝のU-23中国代表戦と同じだった。日本は左サイドを起点に攻め込んだが、韓国の最終ラインを崩し切れなかった。
後半に得点を奪い、交代選手も活用しながらリードを守る。試合はイ・ミンソン監督の狙いに沿って進んだように見える。日本も後半に4人をベンチから送り込んだが、交代策で攻撃を活性化させ、同点に追いつくことはできなかった。
日本は準決勝から先発10人を入れ替えて決勝に臨んだ。ターンオーバーを繰り返しながら、ここまで勝ち上がった経験は、多くの選手の財産になる。市場価値はあくまでひとつの指標だが、この決勝では個々の勝負どころとチームとしての試合運びの両面で、韓国が上回った。
この決勝で得た経験と突きつけられた課題を、2年後のロサンゼルスオリンピック(ロス五輪)に向けた成長につなげたい。
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