あと一歩、頂点には届かなかった。第20回アジア競技大会で決勝まで勝ち進んだU-21日本代表は、宿敵・韓国代表に0-1で敗れ、4大会連続で優勝を逃した。キャプテンとして最終ラインを統率した市原吏音は、失点の責任を背負いながら「もっともっと圧倒的な違いを見せられたら」と自らに矢印を向けた。所属するAZではトップチームに定着できず、同世代が次々とA代表へ進む現在。21歳のDFは厳しい現実とどう向き合っているのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「僕は今、強くそう思っています」
大岩ジャパンとしても不完全燃焼感の色濃く残る幕切れとなった。
指揮官がターンオーバーに踏み切ったのは「誰が出ても勝てる集団になるため」だったのだろうが、今回は選手層がやや薄かった印象も否めない。
同時期にA代表に参戦中の齋藤俊輔や佐藤龍之介らがいれば、また違った戦いもできただろうが、欧州組はこの先もそう簡単に代表活動に参戦できないだろう。
市原も2028年1月に予定されるロス五輪アジア最終予選に出られるかどうか未知数ではあるが、とにかく個のレベルアップに勤しんでいく構えだ。
「ロス五輪のアジア枠は2枠。アジアでは決勝まで行かないと突破はできない。そういう厳しい中で、誰かが呼べなかったり、ケガをしたりと、いろんなことが起きると思います。
だからこそ、個々が成長しなければいけない。この負けをしっかり受け止めて、次は日本として韓国を倒してアジアチャンピオンになりたい。僕は今、強くそう思っています」
こうした輝かしい未来を思い描こうと思うなら、市原は奮起しなければならない。人間的にも秀でた部分を持つ彼ならば、さまざまな壁を乗り越えていけるはず。
ここからオランダに戻って、いち早くトップチームで試合に出られるように、ガムシャラにアタックするしかないのだ。
(取材・文:元川悦子)
▽語り手:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2026年北中米大会まで9回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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