
日本代表MF堂安律【写真:Getty Images】
ニュージーランド代表を2-1で下し、キリンカップサッカー2026を制した日本代表。決勝点を挙げた堂安律は、4バックの前方で得点以外にも持ち味を発揮。味方を生かし、自らもゴール前へ向かう。引いて守る相手との一戦から、その働きをひもとく。
約2年半ぶりの【4-2-3-1】
東京・国立競技場で行われた一戦を制し、日本代表は15年ぶりに同大会を制した。9月・10月に行われた国際Aマッチ4連戦を、4連勝で終えている。
決勝点を挙げたのは、この試合でキャプテンマークを巻いたMF堂安律だった。
試合は日本にとって苦手な展開になった。28分にFW上田綺世のゴールで先制したが、わずか4分後、パスミスからカウンターを受けて同点に追いつかれた。その後は自陣を固めるニュージーランドに対し、ボールを握りながらも崩しきれない時間が続いた。
日本のスタート時のフォーメーションは【4-2-3-1】。その中で光ったのが堂安の立ち位置だ。2024年3月の北朝鮮戦以来約2年半ぶりに実践した4バックで、堂安は右サイドの高い位置でプレーした。そのぶん相手ボランチの背後に顔を出し、縦パスを受ける場面が多かった。
屈強な相手に正面からぶつかるのではなく、ライン間で前を向き、次のプレーを選ぶ。上下動を繰り返すウイングバックとは違う、堂安本来の持ち味が出ていた。
象徴的だったのは、ゴールの手前の場面だ。10分には右のポケットに走り込み、久保建英がカットインするスペースを空ける。その直後のプレーでは、久保のスルーパスをバイタルエリアで受けて、みずからシュートを放った。
デコイとなる動きはウイングバックでも見せていたが、2列目で起用されればフィニッシャーの位置にも入りやすい。攻撃的MFとしての創造性が、序盤から表現されていた。
その上で、19分には鎌田大地がボールを失うと堂安も即座にプレスバック。守備意識の高さも健在で、試合を通じてハイブリッドな魅力を披露していた。
「今日はウイングとしてプレーして…」
さらに39分、久保との連係から右サイドでボールを受けると、バイタルからペナルティエリアに向かって走り出す鎌田にスルーパスを供給。パサーとしても随所で相手の急所になり得るスペースを突いていた。
この場面ではニュージーランドのブロックを崩しきれなかったが、右サイドバックとして起用された中野就斗も敵陣深くで関われており、4バックを採用した意味合いは示せていただろう。
上田綺世の1点目も右サイドから生まれており、堂安が相手選手のマークを引き連れてボックス内に進入したからこそ、アシストを記録した中野はクロスの場面で中を見る余裕を持てた。
そして71分。左サイドで途中出場のMF中村敬斗が相手DF3人を置き去りにして折り返すと、逆サイドからゴール前へ入った堂安が無人のゴールに流し込んだ。高い位置を取っていたからこそ、逆サイドから素早くゴール前へ入り込めた。
ドリブル試行回数も4回(3回成功)と、今シリーズの中では最多だ。ウイングバックで培った守備強度を保ちつつ、この日は攻撃面で出色の活躍。今回実践された4バックのオプションを考える上で、その意味は大きい。
試合後、堂安は自身のゴールについて、「今日はウイングとしてプレーして、あそこにいるのがウインガーの仕事」と振り返り、年明けのAFCアジアカップに向けては「今回の4連勝は自信になりますし、この勢いでアジアカップも獲りに行きたいと思います」と語った。
アジアの大舞台でも、引いて守る相手を崩す場面は必ず訪れる。主将として臨んだ決勝で見せた“万能型アタッカー”としての働きは、その答えのひとつになりそうだ。
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