日本代表はニュージーランド代表戦で4バックを採用し、これまでとは異なる形をテストした。しかし、前半は両サイドバックの攻撃参加が大きな効果を生まず、5-4-1で守備を固める相手を崩し切れない。流れを大きく変えたのが、後半途中から右サイドバックに入った伊東純也だった。右ウイングバックにも似た攻撃的な役割を担う“3.5バック”は、AFCアジアカップ2027に向けた新たなオプションとなるのか。(文:西部謙司)[2/2ページ]
両SBの攻撃に大きなインパクトはなし
伊東と中村、両サイドに強力な武器があるのは日本の強みだ。今回もこの2人の圧倒的な個人技が試合を動かした。
伊東を右SBに置く3.5バックというオプションは上手くいった。従来の3-4-2-1でも左ウイングバックとして中村と相馬勇紀、右は堂安、伊東のほかにも松木玖生を試しているので、アジアカップに関してはウイングバックの質量に大きな不安はなさそう。
ワールドカップ(W杯)となると話は別だが、アジアカップではボールを保持して攻め込む展開が大半だろうから、ウイングバックの上下動による疲弊はある程度抑えられる。交代選手もいるので大きな問題にはならないと思われる。
この試合では相手が引いたのでわからなかったが、ビルドアップは4試合の課題として残った。ただし、鈴木彩艶からのロングボールで引っくり返すのは有効なので、上田以外のターゲットがいればより活きてくるはずだ。
新戦力の台頭という点では物足りなかったが、アジアカップへの準備としては十分な4試合だった。
(文:西部謙司)
【著者プロフィール:西部謙司】
1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン)、近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。
英国人が見たサッカー日本代表対ニュージーランド代表「最近ラグビーあったか!?」新戦力で「絶対生き残れない選手も…」
FIFAランキングが更新、NZに勝利の日本代表はアジア首位をキープ 韓国代表はランクダウンの可能性
サッカー日本代表、久保建英と堂安律の共存は難しいのでは? “アドリブ”だけでは崩せない。左利きコンビの限界
【了】


