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コラム 2026.10.7 11:50

「自分が、自分がと思いがちだった」日本代表、堂安律を変えた森保ジャパンでの8年間。今は「この監督のために…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 フリーライター/ノンフィクションライター photo by Getty Images,Shinya Tanaka

サッカー日本代表MF堂安律
日本代表の堂安律【写真:田中伸弥】



 日本代表の堂安律が、約1年ぶりとなるゴールを決めた。しかも舞台は、森保一監督にとって国内最後となる一戦。2018年9月、第1次森保ジャパンの初陣でA代表デビューを飾ってから8年あまり。背番号10を託され、右ウイングバックという新たな役割を担い、いまではキャプテンとしてチームをけん引する立場になった。「自分が、自分がと思いがちだった」と振り返る若者は、なぜ「この監督のために勝ちたい」と語るまでに変わったのか。堂安と森保監督が歩んできた8年間を振り返る。(取材・文:藤江直人)[2/2ページ]

「代表の『10番』を背負う律があれだけ…」

堂安律と森保一監督
「代表の『10番』を背負う律があれだけ献身的にプレーする姿は…」と森保一監督も堂安律を絶賛する【写真:Getty Images】



「自分は運がいいというか、居心地がよくなってきたときに決まって新しいプレッシャーがある人生を歩んでいる。もちろんそれらに打ち勝つメンタリティーや強気な姿勢が、自分にはあると思っています」

 さらに6月シリーズの第2戦だったペルー代表戦の81分には、お役御免でベンチへ下がったキャプテンの遠藤航から腕章を託された。自ら堂安をゲームキャプテンに指名した森保監督はこう語っている。

「今シリーズから背負う『10番』を介して、自分にプレッシャーをかけている部分もあると思うが、そうした姿勢こそが律のよさ。これまで通りギラギラ感と突き抜ける向上心をもってプレーしてほしい」

 さらに2024年の6月シリーズから導入した<3-4-2-1>システムで、左利きの堂安を右ウイングバックのファーストチョイスに指名した指揮官は、北中米W杯を前にしてこんな言葉を残している。

「攻撃的なウイングバックと呼ばれてきましたけど、実は彼らの守備能力もものすごく上がっている。特に律は本当のサイドバックのように何度もアップダウンを繰り返して、泥臭い守備もまったく厭わない。

 日本の子どもたちのなかにもうまい選手は大勢いると思いますけど、代表の『10番』を背負う律があれだけ献身的にプレーする姿は、小手先のうまさだけでは世界を渡り歩いていけないと教えてくれている」

 森保監督のもと、特にメンタル面で頼もしく変貌を遂げた堂安も思いをシンクロさせていた。

「この監督のために勝ちたい」

日本代表の堂安律
「チームを勝たせていくのがリーダーとして求められている」【写真:Getty Images】



「東京五輪のときから森保さんに育ててもらったなかで、信頼だけでなく責任も感じている選手は僕だけじゃない。この監督のために勝ちたい、という思いは間違いなく僕を含めたすべての選手がもっている。

 たとえゴールやアシストじゃなくても、泥臭い守備でもいいからチームに貢献したい。以前の自分とは違う新しい一面が出てきている。そういうチーム作りをしてきた監督やスタッフは本当にすごいと思う」

 北中米W杯ではブラジルに屈し、無念の敗退を余儀なくされた。しかしサッカーは、日の丸を背負う戦いはまだまだ続いていく。第3次森保ジャパンでチームキャプテンに指名された堂安は決意を新たにした。

 9月・10月シリーズでの全勝を公言し、自らのゴールで達成した堂安はこんな言葉を残した。

「この背番号の意味も自分としてはしっかりと理解しているし、チームを勝たせていくのがリーダーとして求められている。そのなかで当たり前のように勝つ、というのが日本代表としての使命なので。

 若い選手たちが新しく入ってきて、若干テストマッチみたいに見られがちだけど、僕たちがあえてそういう発言をするなかで日本代表の意義や意味というものを、結果を介して伝えられたと思う」

 目標に定めるアジアカップ制覇を果たせば、森保監督のもとでプレーできるのは残り9試合。紡がれてきた特別なストーリーが最終章を迎えるなかで、堂安は恩師へ抱く思いを力に変えて前へ進み続けていく。

(取材・文:藤江直人)

【著者プロフィール:藤江直人】
ふじえ・なおと/1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後の1989年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。

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