半年前、浦和レッズの植木颯は悔しさを隠せずにいた。ともに加入した同期が結果を残す一方、自身にはなかなか出場機会が訪れなかったからだ。しかし、今ではリーグ戦4試合連続で先発出場を果たし、曺貴裁監督のもとで新たな主力候補として存在感を高めている。アンカーからインサイドハーフへとプレーの幅を広げ、ピッチ上では持ち前の献身性と判断力を発揮。それでも本人が口にするのは、さらなる成長への課題だった。悔しさを力に変えてきた23歳は、浦和の未来を担う存在になれるのか。(取材・文:菊地正典)[2/2ページ]
自然とリーダーに
コメントが反省の弁に終始したFC東京戦の翌日、ちょうどチームがオフとなった10月11日が誕生日だったことは、23歳最初の試合で力を出し切るべく、気持ちを切り替える助けになっただろうか。
日大藤沢高校や日本大学でキャプテンを務めた。今年の大卒ルーキー4人の中でもやんちゃな面がある肥田野と松永、ある意味でGKらしく独特なキャラクターである佐藤瑠星(モンテディオ山形へ育成型期限付き移籍中)をまとめる役割を自然と担っていた。
自身はリーダー気質ではないと思っている。ただ、植木がリーダーになったのは、真面目な性格である上、ピッチの中で常に全力を尽くし、ポジティブなエネルギーをチームにもたらすからだろう。
まだ先輩たちに引っ張ってもらっている感はある。だが、ピッチ上での存在感は増し続けている。
近い将来、植木がピッチ内外で浦和を引っ張っていても、驚くことではない。
(取材・文:菊地正典)
【著者プロフィール:菊地正典 フリーライター】
きくち・まさのり/福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。Xのユーザー名は@masanorikikuchi
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