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J1 2026.10.15 11:50

「ボールは持てるけどカウンター何本かで…」V・ファーレン長崎、新井一耀が語る“負けパターン”と守備の課題【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by Getty Images
新井一耀 V・ファーレン長崎
V・ファーレン長崎でプレーする新井一耀【写真:Getty Images】



 フクダ電子アリーナ。試合後のミックスゾーン。新井一耀は旧友とコミュニケーションを取ったのち、そこに姿を現した。そこからいつものように、真剣な表情で質問に答えていく。とある質問を投げかけた瞬間、その表情がふっと和らいだ。「特別な試合」で奮闘を続けた新井が、よく知るスタジアムで感じたものとは。(取材・文:椎葉洋平)[1/2ページ] 

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【2026/27明治安田J1リーグ第9節】
2026年10月11日 ジェフユナイテッド千葉 1-1 V・ファーレン長崎
(フクダ電子アリーナ)

「今までの負けパターン」だったジェフ千葉戦

ジェフ千葉対V・ファーレン長崎
ジェフ千葉対V・ファーレン長崎の模様【写真:Getty Images】


 長崎にとって、厳しい試合だった。今季2勝目を狙う千葉は、約3週間のリーグ中断明けとなるホームでの一戦に照準を合わせてきた。

 入りからややオーバーペース気味に圧をかけ、長崎が後手を踏んだことで多くのセットプレーを獲得。そのうちの1つ、ペナルティーエリアの外で得たフリーキック(FK)を今季リーグ戦初スタメンの安井拓也が決め切って、開始5分で早速先制点を得た。

 この試合も3バックの中央に陣取った新井は、エリソンや矢村健とのマッチアップを繰り返すなかで、早々のビハインドに難しさを感じていた。

「ゲームの入り方が悪くて、本当にフクアリの雰囲気も良かったし相手の勢いもあった」

 それでも10分を過ぎたあたりから、徐々にボールを持てるようになる。ただ、これは千葉の勢いが落ちたのが半分、残り半分はある種の罠のようなもの。長崎にボールを持たせ、奪うと一気のカウンターで追加点を狙ってきた。

 同点ゴールが欲しいという長崎イレブンのメンタルも作用し、守備のバランスはギリギリだった。

「今までの負けパターンで、ボールは持てるけどカウンター何本かで仕留められるというところがあったと思う。けど、ごっちゃん(GK後藤雅明)のスーパーセーブがありましたし、チームみんなで耐えたというところはあると思います」

 後藤が矢村のボレーシュートやエリソンとの1対1を死守したことは、その後のスコアに多大な影響を与えた。

エリソンに対応した新井一耀の功績

ジェフユナイテッド千葉 エリソン
ジェフユナイテッド千葉でプレーするエリソン【写真:Getty Images】


 ただ、新井がエリソンに対し自由を最小限しか与えなかったことも、間違いなく大きかった。右WBでスタメン出場した増山朝陽は、守備に関する質問に対し新井の名前を挙げる。

「(新井)一耀くんがエリソンを抑えてくれたのが結構大きかったと思います。あそこで背後だったりとか、入れ替わったりするシーンが多ければもっと危なかったと思う」

 新井はエリソンとのマッチアップについて次のように振り返った。

「やっぱり体が強いので。フィジカルもありますし、一発で行って入れ替わらないように。2対1を作っている時だったら自分たちがボールを回収できますけど、攻撃に意識が行き過ぎて自分が広大なスペースで1対1しなきゃいけない時は、スピードもありますし千葉も奪ってからの速攻も狙っているので、そこで何回かピンチがあった」

 それでも、39分にスペースに抜け出されたシーンを除き決定機は作らせなかった。

 長崎は試合途中から、高い位置でのボール奪取を狙い、千葉とのかみ合わせも考慮して4バックにシフトする。

 この試合に向けて準備していた形ではなかったが、新井は「フィットできる選手はいると思いますし、バランスを見てしっかりやれると思うのでそこは心配していなかった」と語り、「パッとやってできるクオリティの選手たちは揃っているので全然できると思いますし、逆に相手がそれでやりづらさが出てくれればこっちが優位性を持ってやれる部分もあると思う」と冷静に分析した。

「色々課題は多いですけど…」

保田堅心 V・ファーレン長崎
ジェフ千葉戦で同点弾をあげた保田堅心【写真:Getty Images】


 最少失点で45分間を折り返すと、後半は相手を押し込むシーンが増え、新井の仕事もパスの供給が中心になっていく。

 左右のCBが交代するなかピッチに立ち続け、そして迎えた後半アディショナルタイム。相手をゴール前に釘付けにして波状攻撃を続けると、途中出場の保田堅心がヘディングシュート。ついに同点に追いついた。

 前線に上がっていた新井はいち早く保田のもとへ駆け寄って喜びを表すと、すぐさま自陣に戻って行く。その姿からはまだ試合は終わっていないこと、決して安心できる状況ではないことを感じさせた。

 最終的に勝点1を分け合い「色々課題は多いですけど、本当に負けなくて良かった」と厳しい表情のまま、試合を振り返った。この試合を終え、長崎は降格圏と勝点差3の14位。全く安心できない位置にあり、新井の目は先を見据えている。

「どこのチームにも強烈なストライカーはいますし、能力の高い選手はいるので、どのチームとやっても本当に気が抜けないですし、一瞬の隙でやられる。

 そういうところの緊張感を経験できているので本当に毎試合毎試合自分がレベルアップできていると思いますし、そこにちゃんと出て活躍しなきゃいけないと思います。失点する場面もありますけど、そういうところは自分のプラスにして成長していきたい」

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