
ベガルタ仙台の奥山政幸【写真:Getty Images】
10月17日、2026/27明治安田J2リーグ第11節・徳島ヴォルティス戦をスコアレスドローで終え、第2節から続く無敗記録を10に伸ばしたベガルタ仙台。首位を走るチームにおいて、直近3試合にボランチとして先発出場しているのがDF奥山政幸だ。2016年にレノファ山口FCでJリーグデビューを果たし、プロキャリア11年目を迎えた33歳。サイドバックやセンターバックを主戦場としてきたベテランは今、新境地で飛躍のときを迎えている。(取材・文:郷内和軌)[2/2ページ]
【2026/27明治安田J2リーグ第11節】
2026年10月17日 ベガルタ仙台 0-0 徳島ヴォルティス
(ユアテックスタジアム仙台)
「ゲームを支配するために」。新境地がもたらすサッカー観

プロキャリア11年目を迎えたベガルタ仙台の奥山政幸【写真:Getty Images】
「相手はカウンターに怖さがあるチームなので、攻守の切り替えはだいぶ意識していました。どれだけ守備で貢献できるかが、僕が先発で出ている意味でもある。そういった部分で絶対にやらせないというのは自分の中にもプライドがありますし、きょうは与えられたタスクをしっかりこなせたのかなと思います」
巧みなポジショニングで相手に自由を与えず、セカンドボールにもいち早く反応する。これまで対人能力を高く評価されてきた奥山だが、このような危機察知能力にも、試合を重ねるごとに磨きがかかっている。ピッチに立つたびに増していく円熟味。本人に聞くと、ボランチとしての新境地は、自らのサッカー観にも変化をもたらしているようだ。
「試合のテンポ感と言いますか、いつ速く攻めて、いつ落ち着かせるのか、90分を通したマネジメントを意識することが増えました。センターバックやサイドバックだと、どうしてもリアクションが多くなりますが、そうじゃなくて、ボールを握る、ゲームを支配するためにどう振る舞うかというところは常に考えるようになってきています」
試合はスコアレスドローで終わり、連続無敗記録を10に伸ばした仙台。しかし、徳島の強力な攻撃陣を無失点に抑えながらも「勝ち点3を逃した試合」と試合後に悔しさを吐露していた。上位同士の直接対決も多く控える今後。ミッドウィークにも試合が組まれ、総力戦が予想されるが、奥山はまだまだ歩みを止めるつもりはない。
「今、誰が出ても負けないチームになってきている自信があります。中盤には素晴らしい選手がたくさんいるので、僕自身もそういった選手から学びながら、ゲームの中で周りとは違う個性や強みを出していきたい。もちろん試合に出続けることもそうですし、しっかりと成長に対して貪欲になっていきたいなと思います」
ちなみに、徳島戦では記者席の近くで観戦していたベンチ外の若手選手たちも、奥山がボールを奪取するごとにリアクションを見せ、82分に交代でピッチを退く際には感嘆の声を漏らしながら、尊敬の拍手を送っていた。ミックスゾーンでの取材後、本人にそのことを伝えると、少し照れくさそうにしながら、こう言葉を残した。
「本当ですか?うれしいですね。もっと成長できるように頑張ります!若手たちに負けてられないので(笑)」
早稲田大学卒業後の2016年、レノファ山口FCで始まったプロサッカー人生。デビューから11年、経験を積み上げてきた今だからこそ、ピッチの上で表現できるプレーがある。奥山政幸、33歳。プロサッカー選手としての後半戦は、ここからが本番だ。
(取材・文:郷内和軌)
【著者プロフィール:郷内和軌】
1992年10月14日生まれ、岩手県一関市出身。岩手県立一関第一高等学校卒業後、仙台大学体育学部スポーツ情報マスメディア学科に進学。2015年4月から4年間、岩手県盛岡市の制作会社に勤務し、19年4月からフリーランスに。大学時代を含め、地域スポーツ誌「Standard(岩手/宮城)」の取材・執筆・編集を約10年間担当(現在も継続)。小学1年時から趣味はJリーグ観戦。サポーター目線を忘れない「サポライター」を目指す。Xアカウント:@kazukigonai
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