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日本代表の直近7得点中4発を決めた上田綺世。エースの負傷が突きつける「1トップ問題」。ブラジル戦で問われる攻撃の形

text by 編集部 photo by Getty Images
日本代表FW上田綺世
日本代表FW上田綺世【写真:Getty Images】



 日本代表のエース、上田綺世が左足を負傷し、11月14日のブラジル代表戦への出場が不透明となった。直近4試合でチームが挙げた7得点のうち4得点を決めた上田だが、その存在価値は得点力だけではない。前線でボールを収め、相手の守備を動かし、プレッシングの起点にもなる。代役候補には前田大然や後藤啓介らがいるが、上田と同じ役割を求めるべきなのか。エース不在の可能性を前に、日本代表が選ぶべき攻撃の形を探る。



失われるのは決定力だけではない

 上田綺世は10月13日、UEFAチャンピオンズリーグのアーセナル戦で左足を負傷した。

 フランスの『Le Petit Lillois』によると、リールのダヴィデ・アンチェロッティ監督は16日の会見で足底筋膜の断裂を明かし、復帰までの期間について「治療や痛みの程度に大きく左右される」と説明。長期離脱を避けたい意向を示したが、具体的な復帰時期は明言していない。

 11月14日にシンガポールで行われるブラジル代表戦まで約1か月。森保一監督にとって、重要な戦力を欠く可能性が浮上した。

 上田への依存度は、直近の代表戦にも表れている。

 日本は9月24日のウルグアイ戦に3-1、28日のベネズエラ戦に2-1で勝利。10月1日のエクアドル戦は0-0からPK戦で勝ち、5日のニュージーランド戦も2-1で制した。

 この4試合で日本が挙げた7得点のうち、4得点を記録したのが上田だった。ウルグアイ戦で1得点、ベネズエラ戦で2得点、ニュージーランド戦で1得点。チーム総得点の約57%を担った計算になる。

 しかし、上田の価値を得点だけで測ることはできない。

 相手センターバックと競り合い、前線でボールを収める。背後への動き出しで守備ラインを押し下げ、味方がプレーするスペースを生み出す。さらに、守備では前線からのプレッシングの起点にもなる。



上田と同じ役割を求めるべきか?

 まさに負傷したアーセナル戦、上田はブラジル代表DFガブリエウ相手に出色のクオリティを示した。データサイト『FotMob』によれば、空中戦と地上戦の両方で勝率75%を記録し、後方から放り込まれるフィードのターゲットとして役割を果たした。

 ガブリエウのデュエル戦績は対照的に3勝10敗と大きく負け越しており、ほぼマンツーマンで付いていた上田に手を焼いたことがうかがえる。

 日本代表には久保建英や堂安律、鎌田大地ら、前線で違いを生み出せる選手がいる。ただ、その能力を引き出すためには、相手DFを引きつけ、攻撃の基準点となる選手も必要だ。

 上田の不在は、単に得点源を失うという問題ではない。そのなかで、誰が1トップを担うのか。

 まず候補になるのは前田大然だ。豊富な運動量とスピードを生かした前線からの守備は、強豪との対戦で大きな武器になる。相手のビルドアップを制限し、ボールを奪って素早く攻める展開なら、その特徴を発揮できるだろう。

 一方、前田を中央に配置すれば、上田と同じように空中戦やポストプレーを担えるとは限らない。前線でボールを保持する時間が短くなれば、久保や堂安が攻撃に関与する位置も変わってくる。

 高さという点では、後藤啓介が選択肢となる。191㎝の長身を生かしたプレーに加え、ゴール前に入り込む動きにも期待がかかる。ただし、後藤も上田とは異なる持ち味の選手だ。

『FotMob』によれば、直近のブンデスリーガ第6節・レバークーゼン戦ではデュエル戦績で1勝2敗。途中出場からゴールを決めた第5節・シャルケ戦では0勝1敗と、プレータイムの短さを考慮しても対人の試行回数そのものが少ない。



問われるのは本当に「代役」か?

 ドイツで現在見せているのは、体を張って収めるというより、ライン間でデコイとなって味方のスペースを作る動きだ。その上で相手ゴール前に入って得点を狙う。

 また、9・10月の代表活動では塩貝健人がウルグアイ戦で得点し、谷村海那もエクアドル戦で先発した。新戦力にチャンスを与えるなら、上田の離脱は新たな序列をつくる契機にもなる。

 さらに、同シリーズの活動で招集外となった小川航基や町野修斗を呼び戻す方法もある。とりわけ小川は、上田と同じセンターフォワードを主戦場とするだけに、所属クラブでのパフォーマンスを改めて検証したい。

 小川も周囲との連係で強みを発揮するタイプではなく、ワンタッチゴーラーとして好機をうかがう。だがヘディングは明確な得点源で、2025/26シーズンのオランダ1部リーグの8ゴールのうち4点は頭で記録したものだ。 

 上田に近い特徴を持つ選手を起用し、現在の攻撃の形を維持するのか。それとも前田らのスピードを生かし、前線の役割そのものを変えるのか。

 2027年1月にはAFCアジアカップも控える。上田の早期復帰が望まれる一方、ひとりのストライカーに大きく依存する攻撃には不安が残る。

 ブラジル戦で問われるのは、上田の代役が誰なのかという点だけではない。エースが不在でも、異なる特徴を持つ選手を生かして得点を奪えるのか。森保監督が進める攻撃の多様化、その実効性が試される。

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【了】

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