
ノッティンガム・フォレスト戦のアーセナル【写真:Getty Images】
昨季王者として期待されているとはいえ、英メディアのアーセナルに対する風当たりが強すぎやしないだろうか。例えば、直近ではアーセナルの攻撃に、クラブOBで元イングランド代表MFのポール・マーソン氏が厳しい評価を下している。(文・内藤秀明)
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攻撃への批判と補強の評価
アーセナルは18日のプレミアリーグ第7節で、ノッティンガム・フォレストに1-0で勝利。
しかし英メディア『スカイ・スポーツ』のコラム内でマーソン氏は、ボールを握りながら得点の気配がほとんどなかった内容を問題視し、「ウイングがまったく相手を抜けない。ボールホルダーを追い越す選手もいない。前線でボールが収まらない。動きらしい動きもない」と指摘した。
同氏は、第5節のブライトン戦に0-3で敗れたことでチームが慎重になり、開幕当初に見せていた積極性を失ったと分析している。
攻撃への批判は、夏の補強にも及んでいる。英紙『イブニング・スタンダード』によると、元イングランド代表DFのジェイミー・キャラガー氏は『スカイ・スポーツ』の番組で、「アーセナルはアタッキングサードに今も華が足りず、夏に望んでいたスーパースターの獲得も実現できなかった」と語った。
補強に誤算があったのは確かだ。ベルギー代表FWレアンドロ・トロサールとブラジル代表FWガブリエウ・マルティネッリを放出しながら、左ウイングで獲得したのはギリシャ代表FWクリストス・ツォリスだけで、もう1枚は補強したいところだった。
とはいえ、その穴を抱えながらも、ミケル・アルテタ監督率いるアーセナルはよくやっている方ではないか。プレミアリーグでは7戦6勝1敗で、勝ち点18の2位につけている。チャンピオンズリーグでも2勝1分で7位と悪くないスタートだ。
その土台にあるのは守備だ。リーグ戦7試合のうち4試合を無失点に抑え、失点はブライトンと並んでリーグ最少の5にとどまる。5失点のうち3点は、ブライトン戦の1試合で喫している。
しかも、この堅守は万全とはいえないDF陣で築いたものだ。最終ラインでは、負傷中のフランス代表DFウィリアム・サリバに代わり、ブラジル代表DFガブリエウ・マガリャンイスとCBを組んでいるのが、新戦力のイングランド代表DFエズリ・コンサだ。
また中盤では、ブラジル代表MFブルーノ・ギマランイスが第4節のサンダーランド戦で加入後初ゴールを決めると、先制を許した第6節のリーズ・ユナイテッド戦でも途中出場から決勝ゴールを奪った。いずれも個の力を感じさせる素晴らしいミドルシュートだった。
加えてツォリスも、10月1日の代表戦で負傷するまでの公式戦8試合で4アシストを記録していた。
こうして見ると、補強は十分でこそなかったが、一定以上の成果を残している。
今季がFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)明けのシーズンであることも考慮したい。イングランド代表は3位決定戦まで8試合を戦い、その約1カ月後にはプレミアリーグが開幕。9月下旬から10月上旬の代表ウィークでは、イングランド代表MFデクラン・ライスが招集を辞退し、W杯で7試合に先発したコンサも途中離脱している。
もちろん攻撃を改善する必要はある。ただ、アーセナルが負傷者と疲労を抱えるなかで守備の堅さを保ち、新戦力を機能させながら勝ち点を積み上げてきたのも事実だ。より魅力的な攻撃を望むのは自然だが、そのせいで、すでに手にしている結果まで過小評価すべきではない。
(文・内藤秀明)
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【了】
