
鹿島アントラーズでプレーする松村優太【写真:Getty Images】
鹿島アントラーズが失点の多さに苦しんでいる。24日の柏レイソル戦は先制しながら前半のうちに逆転を許し、2-3で敗戦。12試合で総失点は「21」に達し、昨季リーグ2番目に少なかった堅守は影を潜めている。「簡単にやられない癖もつけていかないといけない」。連覇を目指す王者の課題を、MF松村優太の言葉からひもとく。(取材・文:藤江直人)[2/2ページ]
「やられ方も一緒」京都戦から続く課題と松村の変化

鹿島アントラーズ対京都サンガF.C.の模様【写真:Getty Images】
京都との前節でも相手をシュートわずか3本に封じ込めながら、後半アディショナルタイムに1点を勝ち越した直後に同点ゴールを決められて2-2で引き分けた。自戒を込めるように松村が続ける。
「失点する時間帯もやられ方も一緒だし、何て言えばいいんですかね。鹿島本来の粘り強さや失点をしないゲーム運びに立ち返らないと。今日は負けたのがすべて。ここまで失点が多いと、勝てる試合も少なくなる」
松村自身の今シーズンの軌跡を振り返れば、ここまでリーグ戦で全12試合に出場して2ゴールをマークしている。先発は8度を数え、柏戦を含めて、そのうち6試合で試合終了の笛をピッチの上で聞いた。
左肩の脱臼を抱えた状態で、ジョーカーとして重用された昨シーズンとの違いをこう語る。
「今シーズンに関してはけっこう90分間プレーしているし、最初から90分間プレーするつもりで準備している。(スタミナや運動量が)落ちない、というのも自分のよさだと思っているので」
柏戦では<4-4-2>の右サイドハーフで先発。後半開始とともに左サイドハーフへポジションを移し、右サイドハーフへ戻った後の78分からは右サイドバックへポジションを下げている。
これまでにも何度かプレーした経験のあるサイドバックでの起用には、松村の武器でもある右サイドからの正確なクロスを、攻撃陣の枚数を増やした前線へどんどん供給する狙いが込められていた。
「それ以前の問題」問われる自己修正能力

試合終了後の鈴木優磨とチャヴリッチ【写真:Getty Images】
「1、2本は惜しい場面があったなかで、ひとつでもゴールにつながればよかったんですけど」
右サイドをオーバーラップしてからのクロスが実らなかったと、松村は試合後に悔やんだ。しかし結果以上に、自身が最後はサイドバックに回り、クロスをどんどんあげる役割を任された展開が問題だと言う。
「自分が最後にそこ(右サイドバック)に回って攻撃のスイッチを入れるような、パワープレーを仕掛けなければいけない試合展開ではなかったと思っています。正直に言えば、むしろそれ以前の問題でした。
実際に前半の途中までは本当によかった。だからこそ失点した時間帯と取られ方を考えなきゃいけない。何度でも言いますけど、それ(パワープレー)をしなくちゃいけない試合ではなかったと思っている」
特定の原因がわからないし、誰かの責任にするつもりもない。それでも約3分の1を終えた段階で8位にとどまり、リーグ4位タイの「25」の総得点に「21」の総失点が迫っている状況は看過できない。
連覇を最大目標に掲げる今シーズン。戦い方を取り戻す必要性を、松村はこんな言葉に込めた。
「まずはそこを強固にしない限りは、自分たちが目指している位置には到達できないと思っています」
今シーズンはAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)も並行して戦う。国内カップ戦を含めたタイトル獲得を使命づけられる鹿島が、シーズン中の自己修正能力をも問われる苦境に直面している。
(取材・文:藤江直人)
【著者プロフィール:藤江直人】
ふじえ・なおと/1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後の1989年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。
鹿島アントラーズ|順位・順位推移・試合日程・結果【2026/27】
鹿島アントラーズ|選手一覧(メンバー)・成績・移籍情報・基本フォーメーション【2026/27】
Jリーグ|順位表・試合日程・結果・移籍情報・得点ランキング・アシストランキング【2026/27】
【了】
