「おそらく、これは指揮官の問題です」。そう語ったのは、湘南ベルマーレを率いる長澤徹監督だ。今季のJ2リーグでは13試合でわずか1敗と粘り強さを見せる一方、7度の引き分けを記録。栃木シティ戦で連続引き分けを止めたものの、J1復帰に向けて課題は残る。なぜ湘南は勝ち切れないのか。指揮官が語った勝利への重圧と、選手たちが感じる課題から、その背景を探る。(取材・文:ショーン・キャロル)[2/2ページ]
「徹さんもその思いを共有してくれています」
「ドイツで苦労していましたし、連絡も取っていました。その苦労を何のためにしているのかというところで、彼とはもう一度ヨーロッパに戻るという目標を持って取り組んでいます。ブランクがあったのは確かですが、だんだん目線が揃ってきました。
彼の良さはスピードとフィニッシュ、アシストなどです。それを存分に生かしてもらいたい。まだまだ50%だと思っていますので、トレーニングでさらに高めていってほしいです。あのポジションには素晴らしい選手が揃っているので、しっかり競争して、お互いにレベルを上げてくれればと思っています」
指揮官からの評価を伝えられた上月は、その期待に応える自信を示した。
「もっともっとやれますし、監督も自分の100%を知っていると思います。もっとやれるので、もっとやるしかないなと思っています」
長澤監督と過去に仕事をした経験があるのは、上月だけではない。RB大宮アルディージャ時代に指導を受けた下口稚葉もその一人だ。
28歳のサイドバックは、湘南が目標を達成するためには、チーム全員が同じ方向を向くことが重要だと考えている。
「チームとして、戦術だったり、やり方だったり、いろいろあると思うんですけど、一番大事なのは自分たちが本当に一つになれるかどうかだと思います。小さなことや細かいことではなく、大きく前進していくために、みんなで団結できるかどうか。
今週はそういったところを試される時間が多かったので、そこも含めて、勝って前に進むことができたのは良かったと思います」
下口もまた、引き分けが続いたことに満足しているわけではない。栃木戦でようやくその流れを断ち切った今、さらなる勝ち点の積み上げを目指している。
その最初の相手が、川井健太監督のもとで調子を上げている札幌だ。
「もちろん負けていないというのは僕らにとって大事なことですけど、引き分けが続くということは、そのたびに勝ち点2を落としているということでもあります。だからこそ、ホームでは絶対に勝ち点3を取りにいっていますし、徹さんもその思いを共有してくれています。
昇格するためには、ホームで勝ち点3を取ることが必須だと思っています。アウェイでも粘り強く勝利をつかんできましたし、札幌は今、調子が良くなっていて、右肩上がりのチームです。そういう相手をしっかり倒して、自分たちもさらに上位に食らいついていけるようにしたいと思います」
(取材・文:ショーン・キャロル)
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。『ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録』『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』の筆者。「Jリーグ Monthly」のレギュラー出演。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーやNHK、J SportsなどのJリーグ番組出演も。
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