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J1 2026.11.4 19:15

「何か、来る気配がした」。33歳でJ1初ゴール。ポストに激突したジェフ千葉・前貴之の執念【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 フリーライター photo by Getty Images
前貴之 ジェフ千葉
ジェフ千葉でプレーする前貴之【写真:Getty Images】



 フクダ電子アリーナでアビスパ福岡を3-0で下し、リーグ戦7試合ぶりの勝利をあげたジェフユナイテッド千葉。DF前貴之はポストに激突しながらJ1初ゴールを奪い、小林慶行監督は試合後、サポーターへの思いから涙を見せた。終盤の失点などで勝ち点を逃してきた千葉は、なぜこの日は勝ち切ることができたのか。前や指揮官の言葉から、その背景を探る。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]

【2026/27明治安田J1リーグ第13節】
2026年11月1日 ジェフユナイテッド千葉 3-0 アビスパ福岡
(フクダ電子アリーナ)

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「やっぱり、サポーターです」

スタンドが黄色に染まるフクダ電子アリーナ
スタンドが黄色に染まるフクダ電子アリーナ【写真:Getty Images】



 試合終了を告げるホイッスルがスタジアムに鳴り響く――。

 茜色に染まった夕暮れが、歓喜を爆発させ抱き合う選手たちの顔を照らした。

 明治安田J1リーグ第13節アビスパ福岡戦で、ジェフユナイテッド千葉はリーグ戦7試合ぶりの勝利を飾った。

 3-0の結果となった試合を、小林慶行監督は次のように振り返った。

「ここ数試合、自分たちはいいゲームができていたというか、どっちに転ぶかわからないゲームをずっと繰り返してきました。

 そのなかで、しっかりと勝ち点3につなげられたこと、自分たちがいくつもエラーを重ねてきましたけど、今日は選手たちが自分たちがやらなければいけないことをリードした後も、しっかりとやってくれました。成長を見せられたと思います。その中で勝ち点3をもぎ取れたところがすごく良かったと思います」

 そして「目が赤くなっているように見えるが?」と報道陣に問われ、「今、DAZNのインタビューを受けている時に、ちょっと感極まってしまいました」と話す。

 その上で「やっぱり、サポーターです。以上です。こういう状況にも関わらず、信じ続けてくれたことに対して」と吐露した。

 この試合は勝ち点7で並ぶ最下位・千葉と19位・福岡の直接対決。降格圏を脱出するためにも是が非でも勝利を掴み取りたい前半戦の大一番だった。

 立ち上がりから、両チームの負けたくない思いがピッチでぶつかり合う、激しい試合となる。

前貴之のミドルシュートが開いた先制点への道

ジェフ千葉対アビスパ福岡の模様
ジェフ千葉対アビスパ福岡の模様【写真:Getty Images】


 福岡は失点を防ぐために[5-3-2]を形成。ミドルブロックで守備を固め、前線のFWウェリック・ポポやFW師岡柊生を中心にカウンターを狙う。

 千葉はボールを持たされる場面が増え、攻めあぐねていたところもあったがDF前貴之のミドルシュートが先制点への突破口となった。

 25分、前は福岡の中盤3枚の脇でMF田中和樹のパスを受けると、対峙する相手選手をかわして左足を振り抜いた。シュートは相手DFにブロックされたものの、こぼれ球に反応したMF姫野誠が左足で押し込み、先制点を奪った。

「ブロックを引いた相手に対して、どうやって崩すかというところで中々、背後も取りにくかったし、そういうところは自分たちに引き出しが少ないと思いました。

 でも自分のところではミドルシュートがひとつチャンスになるかなと思っていた中で、あまり上手く当たってはいないんですけど、良い形でこぼれてくれて1点目を取れたので、あれで大分、楽になったかなと思っています」

 そう振り返った前は、相手の勢いや熱さに呑まれないクールさを意識しながら自分のプレーに徹する。

『心は熱く、プレーは冷静に』。体をぶつけながらボールを刈り取る。相手のクロスをカットし、自陣ペナルティエリア(PA)付近でも焦らず、正確で力強いプレーや落ち着きを見せた。

ポストに激突して奪ったJ1初ゴール

安井拓也 ジェフ千葉
ゴールにつながるクロスを供給した安井拓也【写真:Getty Images】


 1点リードのまま後半を迎えると福岡が[3-4-2-1]に形を変え、MF見木友哉を中心にボールを動かし始める。流れはアウェイチームに傾きかけた。

 しかし、前が貴重な追加点を叩き出す。

 65分、コーナーキック(CK)のボールをつないだMF安井拓也がPA脇からクロスを送ると大外から体を投げ出した。

『ここしかない』というタイミングでボールを捉え、ヘディングシュートを狙う。一度はポストに弾かれるも、跳ね返りが前の後頭部に当たりゴールネットを揺らした。

 これが前にとってはJ1通算22試合目でのJ1初得点。リーグ戦では、2022年9月14日のレノファ山口FC在籍時、J2第36節ツエーゲン金沢戦(1-1)以来のゴールとなった。

 勢い余ってポストに激突するほどの思い切ったプレー。それは間違いなくチームに勇気を与えていた。

「タク(安井)が持った時点で、もう行こうと思っていたので本当に良いボールが来ましたし、あとは(PA内に)上がって『入ればいいやっていう感じ』で突っ込みました。何か、来る気配がしたんで(笑)」

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