フットボールチャンネル

J2 2026.10.29 11:50

「おそらく、これは指揮官の問題です」13戦で7分け。湘南ベルマーレ・長澤徹監督が認めた“勝ち切れない”背景【英国人の視点】

湘南ベルマーレ
湘南ベルマーレ【写真:Getty Images】



「おそらく、これは指揮官の問題です」。そう語ったのは、湘南ベルマーレを率いる長澤徹監督だ。今季のJ2リーグでは13試合でわずか1敗と粘り強さを見せる一方、7度の引き分けを記録。栃木シティ戦で連続引き分けを止めたものの、J1復帰に向けて課題は残る。なぜ湘南は勝ち切れないのか。指揮官が語った勝利への重圧と、選手たちが感じる課題から、その背景を探る。(取材・文:ショーン・キャロル)[1/2ページ]

【2026/27 明治安田J2リーグ第13節】
2026年10月25日 湘南ベルマーレ 2-1 栃木シティ
(レモンガススタジアム平塚)

JリーグはDAZNで全試合ライブ配信!
月額最安値で視聴するならDMM×DAZNホーダイ[PR]




勝ち切れなくても5位につける湘南ベルマーレ

湘南ベルマーレ
栃木シティに逆転勝利した湘南ベルマーレ【写真:Getty Images】



 今季ここまで、リーグ戦の半数以上を引き分けている湘南ベルマーレ。しかし、長澤徹監督率いるチームはわずか1敗しか喫しておらず、J2で序盤から上位を走るチームとの差は決して大きくない。

 神奈川県のクラブは10月3日から21日にかけて、4試合連続で1-1の引き分けを記録した。しかし、先週日曜日に行われた栃木シティ戦では2-1の逆転勝利を収め、勝ち切れない状況に終止符を打った。

 今週末には北海道コンサドーレ札幌とのアウェイゲームを控えており、10月を締めくくる一戦でも存在感を示す勝利を狙っている。

 ここまでの戦いぶりは安定しているものの、決して華々しいものではない。指揮官も選手たちも、その結果に一定の手応えを感じながら、完全には満足していない。

 現在の湘南は勝ち点22で5位。首位のベガルタ仙台とは勝ち点5差だ。

 2025シーズンの降格から1年でJ1復帰を果たすためには、今後さらに結果を改善していく必要があることを、チーム全体が理解している。

「ずっと引き分け続きだったんですけど、一概に引き分けがダメとも思っていません。正直、ゲーム内容的には引き分けだった時の方が良かったんじゃないかという思いもあります」

 西野太陽と松村晟怜のゴールによって栃木から勝ち点3を獲得した試合後、長澤監督はそう振り返った。

「おそらく、これは指揮官の問題です」

湘南ベルマーレの長澤徹監督
湘南ベルマーレの長澤徹監督【写真:Getty Images】



「序盤戦が終わったので、ここから中盤戦です。いきなり連戦から入りますけど、非常に強力な相手が待っています。ここからが自分たちのチーム力を見せるところなので、しっかりと準備して最初の連戦に向かっていきたいと思います」

 指揮官が言及したのは、大和ハウス プレミストドームではなく、札幌厚別公園競技場で行われる次節の一戦だ。

 その後もサガン鳥栖、ジュビロ磐田、横浜FCと、昇格を争うライバルとの対戦が続く。

 経験豊富な指揮官は、引き分けを勝利に変えられなかった要因の一つが、自身の言葉にあった可能性も認めている。

 とくにホームのレモンガススタジアム平塚では、8月15日を最後に勝利から遠ざかっていた。

「絶対に勝たなければならないという義務感と、勝つことを信じてプレーすることは、全然違うものです。僕は勝つことを信じてプレーする方が大事だと思っています。勝負の世界に『絶対』というものはないと思っているので。

 ただ、今日選手たちに一つだけ言ったのは、もし『絶対』があるとしたら、ホームゲームでは持っている力をすべて出すこと。それだけは絶対にやろうと伝えました。要は、私が『ホームでは絶対に勝つ』『勝ち点を積み重ねる』と言い続けたことで、彼らに義務感を与えてしまった。おそらく、これは指揮官の問題です」

 上月壮一郎もまた、選手たちが目に見えないプレッシャーを背負っている可能性を示唆した。

「0-0の時はうまくやろうとしすぎているところがある」

湘南ベルマーレ
「いつも失点した後にリスクを取って攻めにいけている」と上月壮一郎は話す【写真:Getty Images】



 湘南は栃木戦でも先制点を許し、これで7試合連続で先にリードを許す展開となった。25歳のアタッカーによれば、チームが本来の積極性を発揮できるのは、むしろ失点した後だという。

「いつも失点した後にリスクを取って攻めにいけているというか、0-0の時はうまくやろうとしすぎているところがあります。背後を取れたりはしているんですけど、なかなかはっきりしたプレーができない。

 でも、負けている時はサイドに張って仕掛けたり、リスクを取って攻撃できています。もちろん、そうするとカウンターを食らうこともありますけど、それでも積極的に攻められていると思います」

 それでも、かつてシャルケでプレーした上月は、チームが本来の力を発揮するための土台を着実に築いてきたと感じている。

「序盤戦では、負け癖がつかないということがすごく大事だったと思います。だからこそ、中盤戦では勝ち癖をつけたい。引き分けを少しでも多く勝ちに変えられたら、正直、他のチームとの差もかなり生まれると思います。

 序盤戦は苦しい中でも粘り強さを身につけられたと思うので、中盤戦はそれを勝利に変えられるように、もっとチーム力を上げていきたいと思っています」

 京都サンガF.C.で頭角を現し、2022年1月に欧州へ渡った上月は、栃木戦でハーフタイムから途中出場すると、松村の決勝点をアシストした。

 シーズンが進むにつれて、湘南にとって重要な攻撃の武器となる可能性を秘めている。

 長澤監督は京都でコーチングスタッフの一員だった時代にも上月を指導しており、その才能をよく知っている。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top