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大迫勇也、ゴール数以上の半端ない貢献度。CL出場狙えるケルンで全試合出場の秘訣【海外組の真価~日本人選手の現在地】

これまで日本代表をけん引してきた選手たちが所属クラブで出場機会を失い、踊り場にあるように思える日本サッカー。いま改めて海外組の現在地を探っていきたい。今回取り上げるのは、大迫勇也。所属するケルンはチャンピオンズリーグ出場権獲得も狙える7位と好調を維持しており、大迫はその中でもリーグ戦全試合に出場している。第21節を終えて4得点4アシストという結果はストライカーとして物足りないかもしれないが、大迫の貢献度は数字だけでは表せないものがある。2トップを組むアントニー・モデストが得点ランク首位タイに位置しているのも、大迫とのコンビネーションがあることが大きく関係している。(文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

数字以上の貢献。攻撃の起点として好機を演出

大迫
ケルンの大迫勇也【写真:Getty Images】

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 今季のブンデスリーガで21試合全てに出場し、4得点4アシストを記録している大迫勇也。第3節と第4節のスペクタクルなゴールは「大迫、半端ない」というキャッチフレーズを呼び覚ましたが、試合での貢献は数字以上のものがある。

 基本的にアントニー・モデストと2トップを形成するが、そのパートナーが得点王ランキングのトップに並ぶ17得点を挙げていることは大迫の働きと無関係ではないのだ。

 昨シーズンはサイドハーフやトップ下のポジションがメインであり、そのことがあまり得点チャンスに絡めなかった1つの理由であった。大迫としては本職のFWとして起用されることで能力を発揮しやすいと彼自身も語っている。とはいえ堅守速攻がベースになるケルンにおいて、2トップで起用される場合も大迫が起点として絡むことで多くのチャンスが生まれていることは確かだ。

 そのため、周りのチャンスメークにゴール前で合わせるだけというシーンより、遠目の位置やワイドで受けてペナルティエリア内に侵入して行く形が多くなる。2得点を挙げた第18節ダルムシュタット戦の1点目は大迫がパサーとして信頼するレオナルド・ビッテンコートのクロスにゴール前で見事に合わせたが、これも大迫を起点とした攻撃がフィニッシュまでつながった格好だ。

 3年前に鹿島から2部の1860ミュンヘンに移籍してからドイツでプレーする大迫は、持ち前の高い技術に加え、厳しいプレッシャーに負けることなくボールをキープする能力を高めており、イージーにボールを失うシーンはほとんど見られない。13年からケルンを指揮するペーター・シュテーガー監督も大迫の万能な働きを高く評価している。

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