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「ずっと等々力劇場みたいなゲームはできない」脇坂泰斗が見据える川崎フロンターレの改善点とは「そのためにも失点を…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images
川崎フロンターレ、脇坂泰斗

川崎フロンターレの脇坂泰斗【写真:Getty Images】



 明治安田J1百年構想リーグ第9節が5日に行われ、川崎フロンターレは浦和レッズに3-2で競り勝った。脇坂泰斗が試合後に語ったのは、その先に必要な積み上げだった。逆転劇を演出しながらも現状に満足することなく、攻守両面の課題と向き合い続ける姿勢。チームを束ねるキャプテンとして、勝ち続ける集団へと導く覚悟をにじませている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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是が非でも勝ち点3が欲しかった川崎フロンターレ

川崎フロンターレ 浦和レッズ

浦和レッズをホームに迎えた川崎フロンターレ【写真:Getty Images】

 ちょうど1年前のAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)ファイナルでアル・アハリに敗れ、その大舞台に戻るべく、明治安田J1百年構想リーグをスタートさせた川崎フロンターレ。開幕2連勝まではよかったが、そこからは出入りの激しい状況が続き、3月22日には横浜F・マリノスに0−5の大敗。28日にもFC町田ゼルビアにPK負けを喫し、2連敗という苦境に陥ることになってしまった。

 8試合終了時点で勝ち点11・EAST地区6位という状況は納得できるものではないはず。1か月ぶりのホーム・浦和レッズ戦は是が非でも勝ち点3がほしい試合だった。

 家長昭博、谷口栄斗、佐々木旭、大関友翔ら負傷者が相次ぐ中でも総力を挙げて勝ちにいく必要があった。



 しかしながら、川崎は開始早々の3分にリスタートから根本健太に先制点を奪われてしまう。5分にも及ぶVAR判定の末に認められたたゴールだったが、いきなりの失点で目が覚めた部分もあっただろう。

 彼らはこの6分後、三浦颯太の左クロスから首尾よくオウンゴールをゲット。1−1に追いつき、前半を優位に進めて試合を折り返したのだ。

 迎えた後半。ここから一気にギアを上げていきたいところだったが、浦和に先手を取られることになってしまう。

「ロマが入ると…」

川崎フロンターレ
同点ゴールを奪ったラザル・ロマニッチ【写真:Getty Images】

 開始早々の金子拓郎のゴールはオナイウ阿道の立ち位置がオフサイドと判断され、VARの末に取り消されたため事なきを得たが、11分にショートカウンターから再び金子にゴールを献上。1−2のリードを許してしまった。

 超満員の本拠地でこのままあっさりと敗れるわけにはいかない。長谷部茂利監督は69分にラザル・ロマニッチと宮城天を投入。これが攻撃の圧力を一気に引き上げるきっかけになった。



「ロマが入るとポストプレーが上手なんで、より前向きに人を使えるようになる。それで僕らに時間を与えてくれるので、いい方向に転んだかなと思います」とキャプテン・脇坂泰斗はポジティブなコメントを口にした。その効果が78分の同点弾に結びついたのだ。

 始まりは背番号「14」の右コーナーキックだった。相手のクリアボールを橘田健人が拾い、右の脇坂へ展開。リターンが橘田に入り、ペナルティエリア角でフリーになっていた山本悠樹にパスが渡った。ここからのクロスがゴール前のロマニッチにドンピシャで合い、豪快なヘディングシュートがゴールネットを揺らした。

 2−2になった後も一進一退の攻防が続いたが、最後の最後で競り勝ったのは川崎だった。

「僕が右に入って感じたのは…」

川崎フロンターレ 河原創
川崎フロンターレの河原創【写真:Getty Images】

 後半アディショナルタイム4分が経過した時、浦和のスローインを三浦が巧みにカット。宮城から途中出場の河原創を経由し、脇坂、山原怜音とボールが渡った。

 山原はゴール前で張っていたロマニッチに鋭い縦パスを刺し、ロマニッチがキープ。そこに飛び込んできたのが河原だった。

 フリーになった背番号「19」は遠目の位置から思い切って左足を一閃。ゴール右隅に決勝点を蹴り込んだ。

「(神田奏真が入った76分以降)僕が右に入って感じたのは、浦和の選手がボールサイドにすごく圧縮しているなということ。天だったり、健人だったり、創が左サイドにいる時、右の僕が浮いているので、『ボールを出してくれ』というのは言っていました。



 あのシーンでは創からうまくボールが入って、1回怜音に広げたんですけど、そこで広がったことによって中が空いたので、ロマに刺し込めた。そこでうまく噛み合わなかったけど、創が狙っていて最後のゴールになった。そこでみんなが関わって、1人1人の良さが出たのがよかったと思います」

 キャプテン・脇坂が細かく説明してくれた通り、複数選手が関与して、連動性のある攻めからゴールを奪えるのが川崎らしさ。それが終了間際のギリギリの局面で出せたのは、朗報と言っていいのではないか。

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