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「ライバル心みたいなのも」同世代の存在が岡村大八の心を掻き立てる。FC町田ゼルビアが勝つために試行錯誤していること【コラム前編】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images,Editor
FC町田ゼルビア 岡村大八

FC町田ゼルビアの岡村大八【写真:編集部】



 FC町田ゼルビアは日本時間4月18日、サウジアラビアで開催されるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ファイナルズへ臨む。守備の要として期待されるのが加入2年目の岡村大八。現在3位につけている百年構想リーグでの戦い、今季取り組んでいることなど、今どんなことを思い、プレーしているのか、岡村の現在地に迫った。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]

【単独インタビュー/取材日:4月9日】

岡村大八が振り返る前半戦「3位という順位はよく見えるかもしれないですけど」

FC町田ゼルビア 岡村大八

昨季、加入1年目ながら3バックの主軸として確固たる地位を築いたFC町田ゼルビアの岡村大八【写真:Getty Images】

 FC町田ゼルビアに加入して、早1年以上が経った。

 岡村大八は2024年、前所属の北海道コンサドーレ札幌がJ2に降格したことによって、トップカテゴリーでのプレーを優先し、移籍を決断。

 町田加入初年度は終盤に怪我もあり、32試合の出場にとどまったが、攻撃面ではキャリアハイの4ゴールをマーク。守備面でも持ち味である対人守備と的確なタックルで堅守の町田を支えた。

 シーズン移行前の特別大会、明治安田J1百年構想リーグにおいても5勝4分2敗(PK勝3PK負1)で現在3位と、上位につけているが、岡村は「満足はしていない」と現状について、率直に切り出した。

「90分通しての負けが2試合しかないところは評価できる部分かなと思いますけど、その2試合は鹿島(アントラーズ)とFC東京で、両方とも完敗だったなと感じますし、力の差が出たとも感じます」

 AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の関係で1試合多い11試合を消化している町田だが、確かにそのうちの2敗は首位を走る鹿島と2位のFC東京だ。



 タイトルを狙うには取りこぼしは許されない。引き分けが多い町田にとっては、その引き分けをいかに勝ちに持っていくかが重要となる。

「引き分けでPKになって、勝ち点を(谷)晃生のおかげで拾えているのはありますけど、これを勝ち点2から3にしていくこと、勝ち点1を3にすることは必要になってくると思う。

 3位という順位はよく見えるかもしれないですけど、結果と内容に至っては選手としては満足してないというところですね」

 順位と中身が伴っていれば少しは納得ができるのかもしれない。だが、岡村がこう言うのには町田が今季から取り組んでいることが関係してくる。

「今取り組まなければいけないところはビルドアップの部分。もうちょっと自分のところからの(ボール)ロストをなくすところと、チームとしてのやり方に合わせている部分もあるんですけど、自分からもっと縦に鋭いボールを差し込めたらもっともっと良いかなと思っています」

 強みである対人守備に関しても岡村は向上心を隠さない。

「去年と明らかに攻撃の戦い方が違う」試行錯誤しながら取り組んでいること

FC町田ゼルビア 岡村大八

FC町田ゼルビア加入2年目の岡村大八【写真:Getty Images】

「あまり大きくぶち抜かれたりとか、やられるシーンはないんですけども、守備の部分に関してももっと圧倒的にならなければいけないなと。“ディフェンスは大八がいるから大丈夫だな”と言われるくらいのパフォーマンスをしなければいけないと思っています」

 町田はチーム全体で守備意識を高く保ち、徹底して勝負にこだわってきた。中盤でパスをつないで試合をコントロールするといった日本的なサッカーではなく、前線の大型フォワードをターゲットに置いて戦うというスタイルだ。

 今季はロングボール主体の戦い方から、自陣でボールを繋ぎ、ゴールへ前進するという戦い方に取り組んでいる。

 まだ試行錯誤の段階ということで、守備にも影響が出ているようだ。11試合で15失点というのは堅守の町田からすると気になる数字ではある。

「ディフェンスラインをやっている身としては責任を感じますよ。失点を重ねるのは自分たちがふがいないからこそ起きていることだと思います」と守備陣としての役割を果たせていないことに言及し、こう続けた。



「去年と明らかに攻撃の戦い方が違うと思う。町田がボールを蹴って、ロングボールという戦い方を脱却して、ビルドアップしていくところも取り組んでいます。前線でターゲットマンと言われる(オ・)セフンや(ミッチェル・)デュークがいなくなった。

 テテ(・イェンギ)は身長が大きいですけど、ヘディングでやるタイプじゃないので、選手のタイプに合わせてうまく戦い方を変えていくところも取り組んでいます」

 選手の入れ替わりに順じて戦い方が変化することは当然あるだろう。そうした中でエラーはつきもの。実際に、そのチャレンジの中でボールを引っ掛けてショートカウンターを受けたり、ミスから失点を喫したりもしている。

「ただ、その中でも負けていないところは評価に値すると思います。取り組んでいる最中なので、そういうミスが出るのは仕方がないのかなとも思いつつ、そういったところも個で止められるくらいにならないといけないと感じています。

 もちろん(失点は)0に近づければいいんですけど、相手もいることなのでうまくいかない。そういったところを改善しながら、この半年の移行期間をうまく使って、優勝を目指しながら、来年の26/27シーズンに向けてやれればいいかなと思っています」

「体がうまく馴染んできた」岡村大八に起きている変化

FC町田ゼルビア 岡村大八

FC町田ゼルビアの守備の要として欠かせない存在になっている岡村大八【写真:Getty Images】

 

 岡村は今季の目標に「怪我をしない」ことを掲げている。去年の9月23日に京都サンガF.C.戦で右膝を負傷し、2か月ほど離脱したこともあったからだろう。

「去年の怪我は接触によって起きてしまった怪我なので致し方なかったという部分はあるんですけど、今年に関しては体重を4kgから5kg近く落として取り組んでいます」

 キャンプ期間中は怪我が長引き、なかなかトレーニングに参加できなかったようだが、キャンプ明けからはコンディションも良いようだ。

「キャンプ明けからずっとやれているので、だいぶコンディションも上がってきて、体がうまく馴染んできたかなと感じる。ここからまた落とした分、しっかり体をうまく使えるようになって、かつ、パワーのところも出していけたらいいかなと個人的には思っています」

 この話には少々驚いた。札幌時代に取材したときよりも町田に行ってからの岡村は一回りも二回りも体つきが良く見えていたからだ。明らかに肩や腕まわりで筋肉がついたように思ったことを告げると、こんな答えが返ってきた。



「たぶん、去年の方が大きかったですね。町田に来たときも意図的に大きくしてみて、どういうふうな変化が出るのかを試しながら、自分の理想の体重はどれくらいなのか、常に模索しながら、筋肉量や体組成を見ながらやったりしていました」

 去年、筋肉量を上げたことで、動きが重い部分があったり、リアクションが遅い部分があったりしたという。体の中の微妙な変化を感じ取り、今オフに体重を落とすことに決めた。

「オフシーズンのときからちゃんと節制して、食事と運動も意識して、今年のキャンプインのときもかなり体重を落とせて入りました。キャンプでもかなり制限をかけて、トレーニングしたので、4kg近く落ちた。
 
 そこからシーズン中は体重をあまり変えないようにと意識はしているんですけど、その中でも筋トレできる時間があったら入れるなど、取り組んでいる状況です」

 今や町田の守備の要として欠かせない存在になっている岡村だが、自身はここまでの活躍をどのくらいイメージできていたのだろうか。

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