
ジュビロ磐田でプレーする森岡陸【写真:Getty Images】
カテゴリーとしてはJ2対J3の戦いだった。だが、敵地に乗り込んだジュビロ磐田は福島ユナイテッドFCを相手に大量失点で敗北。序盤を優位に進めたものの、下位チームを相手にバランスの悪さを晒してしまった。守備の統率役としてスタメン起用された森岡陸は、責任感と悔しさをにじませる。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
明治安田J2・J3百年構想リーグ・地域ラウンド第16節
福島ユナイテッドFC 4-2 ジュビロ磐田
とうほう・みんなのスタジアム
序盤はジュビロ磐田が主導権を握ったが…

福島ユナイテッドFC戦に臨むジュビロ磐田【写真:Getty Images】
GWを挟む5連戦。その締めくくりとなったアウェイの福島ユナイテッドFC戦で、ジュビロ磐田は4−2の敗戦を喫した。
前節のヴァンフォーレ甲府戦から、キャプテンの角昂志郎、左サイドの松原后を除く9人を入れ替えるターンオーバーでスタートした。
3バックの中央には森岡陸が入り、守備の統率役として期待を背負ったが、結果は4失点。試合後の森岡の言葉には、ディフェンスリーダーとしての強い責任感と悔しさがにじんでいた。
立ち上がりから磐田は狙いを持って試合に入った。
前からボールを奪いに行く守備は機能し、ビルドアップでも落ち着いてボールを動かす場面を作る。
だが、先にスコアを動かしたのは福島だった。
加藤大育が中央で前に出た場面でボールを失うと、上畑佑平士が展開。左サイドで受けた芦部晃生がカットインから鮮やかなコントロールシュートを沈めた。
それでも磐田はセットプレーから反撃する。
30分、右のスローインから何度もゴール前にボールを入れた流れから、左の松原后のクロスを吉村瑠晟がヘッドで中に折り返す。森岡のヘディングシュートのこぼれ球を松原が押し込み、試合を振り出しに戻した。
森岡自身も「セットプレーは自分の強み。自分が点を取って、後ろを抑えて勝てるチームになっていければ」と振り返ったように、攻守両面で存在感を示そうとしていた。
実際、内容だけを見れば磐田が主導権を握る時間帯も少なくなかった。
「試合を通してずっと軽かった」

ジュビロ磐田を後押しするサポーター【写真:Getty Images】
ハーフタイムのスタッツを見れば福島がシュート2本、磐田は11本のシュートを記録し、6本が枠内を捉えている。
森岡も前半について、ビルドアップはうまくいっていたと振り返る。山﨑浩介とは違う特徴を見せたいという思いを持ちながら、自らボールを持ち運び、攻撃の起点になる場面もあった。
だが、試合を分けたのは守備の“軽さ”だった。
森岡は「試合を通してずっと軽かった」と厳しくチームに自己評価を下した。
特に問題視したのは、失点後のチーム全体の空気感だ。
前半の失点直後には声を掛け合って立て直そうとしていたものの、後半に入って再びリードを許すと、チームは冷静さを失っていく。
53分、クロスのこぼれ球から上畑に押し込まれて2失点目。その後は前がかりになった磐田の背後を、福島に効率良く使われた。
針谷岳晃を中心に中盤でテンポ良くボールを動かされ、71分には針谷の縦パスを起点に狩野海晟に抜け出されて3失点目。82分にはクイックリスタートから中村翼のクロスが直接ゴールに吸い込まれ、勝負は決定づけられた。
森岡は、2失点目以降に守備の意識がバラバラになったと分析する。
攻めの姿勢が裏目に出た後半のジュビロ磐田

第16節では三浦知良も出場【写真:Getty Images】
前へ出ようとする意識が強くなり過ぎ、全体が間延びすると、福島のキャプテンで、司令塔でもあるアンカーの針谷を捕まえ切れなくなったことで、ボール保持者を自由にしてしまった。
もともとシステムの噛み合わせとして4-1-2-3の福島と3-4-2-1の磐田では中盤がミスマッチになりやすいが、磐田は基本的に守備で5-4-1のブロックを作りながら前にプレッシャーをかける。
しかし、前線に次々と攻撃的な選手が投入される中で、前と後ろの意識にギャップができたことに加えて、攻撃もどんどん前にボールを運んでいくので、全体が間延び。前線とボランチの選手との距離が遠くなる。
磐田も後半途中に3バック左からウイングバックに上がった吉村の仕掛けなどから同点のチャンスもあったが、福島に裏返しで攻撃を受けるため、どんどんオープンになってしまった。
2-1とされた後、まだまだ時間がある中で、交代選手を含めてチームが攻め急いだ結果だ。
森岡は個人の守備として奮闘を見せるシーンも見られたが、ディフェンスリーダーとして全体のバランスを統率できなかったことを大いに反省する。