
トレーニングを行うサッカー日本代表【写真:元川悦子】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)初戦のオランダ代表戦がいよいよ目前に迫ってきた。
選手ミーティングで深まった結束。チーム一丸でオランダ代表戦へ
12日夜にダラス入りした森保一監督と選手たちは12日午前、公式練習会場である南メソジスト大学のサッカーグランドに登場。前日合流したばかりの町野修斗も元気そうな姿を見せていた。
選手たちは10時ちょうどに森保監督のもとへ集合。円陣の最初には全員から大きな拍手が湧き起こった。おそらく、町野への歓迎の意味があったとみられる。
その後、トレーニングがスタートすると、日の丸ヘアバンド姿の長友佑都が「よし行くぞ」と大声で気合。キャプテンの板倉滉を先頭にランニングが始まった。
その後、ボール回しに突入。長友や吉田麻也に中村俊輔コーチらが加わった組は普段にも増して盛り上がりを見せていた。到着したばかりの町野は冨安健洋、中村敬斗らとプレー。時折、笑顔をのぞかせながらボールを蹴っていた。
この日のダラスは、気温30度をはるかに超える猛暑に見舞われ、強烈な日差しが照りつけた。
そんな過酷な環境の中、選手たちはここからの非公開練習を1時間程度かけて実施。オランダ代表の武器であるリスタート対策などを1つ1つ、細かく取り組んだはずだ。
「いい準備をしてきたので、あとはやるだけだな」と前田大然が語気を強めた通り、選手たちからは遠藤航の離脱による動揺を感じさせない一体感がうかがえた。
雰囲気が変化した最大の要因は、12日夜に全員で実施した選手ミーティングだろう。
最年長の長友が「戦術を気持ちが超える」と力強く語れば、登録メンバー入りできなかった吉田や南野拓実が胸に秘めた熱い想いを吐露。突如としてキャプテンに就任した板倉もチーム全体を鼓舞するなど、熱のこもった話し合いの場になった模様だ。
「どういう状況になるか分かんないんで。だから、これを本当に最後だと思って戦わなきゃいけない。それくらいの思いを持って。人生の中でこれだけ熱狂できて、これだけ熱くなれるものってなかなかないでしょう。これから先も。
この戦いをやっぱり噛みしめて、誇り持って正面突破。正面突破で突っ込んでいくだけです」と長友は後輩たちに伝えたかった想いを改めてメディアに説明した。
遠藤という大黒柱を失った今、日本代表は長友らベテラン勢、板倉らW杯経験者、そして菅原由勢のような大舞台初挑戦のメンバーが結束して難敵にぶつかっていくしかないのだ。
「W杯への思いは優勝したいとしか思っていなかったし、優勝するチームの一員でありたいとひたすら思っていたので。
子供の頃から憧れた舞台に立つということで、高揚感や、緊張感も生まれるのは確かですけど、チームが勝つために自分がどうあるべきかというのをまず考えるべき。チームが勝つために全てを尽くさなきゃいけない」と菅原が言うように、若い世代も献身的な姿勢を前面に押し出し、オランダ代表戦に向かっていくべきだろう。
28人のメンバーのうち、ピッチに立てるのは、吉田と南野以外の26人だが、彼らのみならず、チーム全員が一丸となっていい入りをすることが肝心である。
この練習後、代表チームは試合会場のダラススタジアムへ向かい、ピッチ状態を視察。公式練習ができなかったことで、明日はぶっつけ本番になりそうだが、高い適応力で難局を乗り切り、勝ち点3をつかみとる日本代表の雄姿に期待したい。
(取材・文:元川悦子)