
フランス代表【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループI第1節・フランス代表vsセネガル代表が現地時間16日に行われ、フランス代表が3-1で勝利した。結果だけ見れば前回大会の準優勝チームの大勝にも思えるが、内容面では苦戦。特に前半はシュート1本と難しい45分を過ごしていた。この展開を指揮官はどのように修正して、勝利を手繰り寄せたのだろうか。(文:安洋一郎)[1/2ページ]
優勝候補フランス代表が開幕戦で勝利
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フランス代表FWキリアン・エンバペ【写真:Getty Images】
2大会連続で決勝に進出している優勝候補のフランス代表が大会6日目に登場した。
彼らが入ったグループIは今大会屈指の「死の組」とも言われる。
今年のアフリカネイションズカップで準優勝(決勝ではモロッコに勝利したものの、没収試合扱いとなって敗戦)のセネガル代表、予選8試合で37ゴールを決めたノルウェー代表、アジア勢屈指のフィジカル能力の高さを誇るイラク代表と、どのチームにも力がある。
決勝トーナメント進出のためには一切の油断が許されない状況で、フランス代表は初戦でセネガル代表に3-1で勝利。エースのキリアン・エンバペが代表最多得点記録を更新するメモリアルなゴールも決まった。
結果だけみれば快勝に思えるかもしれないが、内容面では大きな不安があったのも事実。
得点が生まれたのは全て後半であり、逆に前半はわずか1本のシュートに留まっていた。
この低調な前半を受けて、後半は的確な修正を施し、10本のシュートを浴びせて3ゴールを奪った。
ディディエ・デシャン監督がハーフタイムに何を修正したのだろうか。
前半の低調なパフォーマンスの理由

セネガル代表FWニコラス・ジャクソン【写真:Getty Images】
前半のフランス代表は[4-4-2]のミドルブロックで構えてカウンターを狙うセネガル代表にボールを持たされる展開となった。
場面によっては、ボランチの一角であるオーレリアン・チュアメニが最終ラインに下りて前進をサポートしようとしていたが、セネガル代表のコンパクトなブロックを前に縦パスを簡単には入れられなかった。
仮に縦へのスイッチが入ったとしてもセネガル代表の選手たちの距離感が近かったことから簡単には前を向けず。2列目の選手のロストも多く、カウンターを受けるリスクがあることから消極的なプレーに終始した。
その結果、フランス代表の選手たちが得意とする縦に速い攻撃を繰り出すことができずに、ボールを持たされてリズムが出ないまま前半が終了した。
後半のフランス代表の修正

フランス代表のディディエ・デシャン【写真:Getty Images】
後半に入るとデシャン監督がいくつかの修正を施す。
最も分かりやすい変化が、トップ下で出場していたウスマン・デンベレと右WGで出場していたマイケル・オリーセのポジション変更だ。前半も流動的にポジションを入れ替えていたが、後半からは明確にポジションを逆にした。
その上で守備時のアプローチにも微調整を加えた。前半は自分たちがボールを持たされて苦戦したが、後半はあえてセネガル代表にボールを持たせる選択をした。
チーム全体でハイプレスには出ていかないものの、縦パスが中央に入った瞬間に強度を高めるミドルプレスの連動性を高めたことで後半開始直後から立て続けにカウンターのチャンスを得ることに成功した。
52分にはオリーセ、56分にはエンバペに決定機が生まれ、前半にはなかったゴールの予感が徐々に高まっていった。
攻撃機会が増えたことでリズムを掴むと、66分に右サイドに流れたオリーセから出た斜めのスルーパスにエンバペが反応して先制点を記録。一瞬の隙を突いてセネガル代表の守備ブロックを攻略した。
その後は、ブラッドリー・バルコラやライアン・シェルキら途中交代の選手を有効活用しながらチャンスを作り、82分に追加点を奪って勝負あり。
最後はセネガルに1点を返されたものの、直後にエンバペがミドルシュートを叩き込んで3-1で勝利した。