
オランダ代表戦に臨んだサッカー日本代表のスターティングイレブン【写真:田中伸弥】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループリーグ第2戦でチュニジア代表と対戦する日本代表。初戦のオランダ代表戦を2-2のドローで終えた森保ジャパンにとって、決勝トーナメント進出へ向けて勝ち点3が求められる重要な一戦だ。しかし、その中で気がかりなのが久保建英の負傷。攻撃の中心を欠く可能性が高まる中、森保一監督はどのような陣容で臨むのだろうか。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
カタール大会の反省を踏まえると…

オランダ代表戦で負傷したサッカー日本代表の久保建英【写真:Getty Images】
14日の初戦でオランダ代表と2-2で引き分けた日本代表は、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)F組で2位につけている。
目下、スウェーデン代表が勝ち点3を獲得して首位にいるが、20日の第2戦でオランダ代表とスウェーデン代表が激突するため、その結果次第では順位も入れ替わる可能性がある。
どちらにせよ、日本としては、次戦・チュニジア代表戦での勝ち点3確保は必須。そうすることで、25日のスウェーデン代表戦を優位な状況で迎えられる。ここは勝負にこだわらなければならないだろう。
4年前のカタール大会を振り返ってみると、森保一監督は第2戦のコスタリカ代表戦で、先発5人を変更するターンオーバーを敢行。初戦のドイツ代表戦での消耗を考えつつ、第3戦・スペイン代表戦に向けて余力を残そうと考えたのだろうが、そのターンオーバーは結果的にマイナスに作用した。
その経験を踏まえると、今回は基本的にオランダ代表戦のスタメンをそのままベースにするのではないか。特に鎌田大地、佐野海舟の“鉄板ボランチコンビ”は絶対に変えられないはずだ。
ただ、久保建英がオランダ代表戦で左ひざを負傷したこともあり、次戦は彼抜きで攻撃陣を組み立てなければならないだろう。
久保の状態についてはまだ情報が乏しく、今後の復帰見通しはハッキリしないが、さすがに中5日で迎えるチュニジア代表戦は回避が確実。そうなれば、シャドーの構成を見直す必要に迫られそうだ。
攻撃陣再編のカギを握るのは…

サッカー日本代表の堂安律【写真:田中伸弥】
そもそも今回の日本代表は、南野拓実と三笘薫の負傷離脱によって構想の練り直しを強いられた。遠藤航が万全だったら、最終予選の時のように鎌田を2列目に起用する手もあったかもしれないが、それは現状では難しい。
伊東純也も、5月31日のアイスランド代表戦では左シャドーで先発したが、爆発的なスピードという武器を持つ彼は、切り札として取っておく方が賢明だ。
となれば、オランダ代表戦に先発した前田大然、出番なしに終わった鈴木唯人と後藤啓介、追加招集の町野修斗あたりの起用を模索しなければならなくなる。
前田以外はW杯出場経験がなく、「チュニジアに絶対勝利」という条件下でどのようなパフォーマンスを示せるのかは未知数。誰をチョイスするにしても、森保監督は難しい判断を迫られそうだ。
こうした中、新たなオプションとして考えられるのが、堂安律の右シャドー起用だろう。
堂安をインサイドに動かす場合には、すでにオランダ代表戦に出場し、伊東とのホットラインで右サイドを活性化した菅原由勢が右ウイングバック(WB)に陣取ればいい。
緊張感のある初戦でピッチに立っている分、精神的にも落ち着いてゲームに入れるだろうし、持ち前の明るさとタフさでチームを引っ張れる。これはいいアイディアだと言えそうだ。
久保が不在の場合に穴を埋める有力候補

サッカー日本代表の鈴木唯人【写真:元川悦子】
堂安が右シャドーに入ると想定した場合、左シャドーは鈴木唯人が最適解ではないか。鈴木唯人はご存じの通り、2列目の本職であり、今季のフライブルクでも圧倒的な違いを見せている。
今大会は右鎖骨骨折の影響で少し出遅れたものの、6月上旬から実戦に復帰していて、今は問題なくプレーできるだろう。
鈴木唯人は「チュニジア対スウェーデンの試合を見ていましたけど、あれだけちゃんとブロックを作ってきていたら、1人で突っ込んでいったとしても、それはなかなか難しい。
でも、先制点なんかも一発の裏のこぼれ球から生まれているので、必ずズレが生まれる瞬間というのが試合の中では起こる。そのタイミングでいい顔出しをして、自分の武器を発揮できればいいなと思います」とコメントしている。
堂安とのコンビであれば、お互いのよさを引き出しあいながら、駆け引きを繰り返すことも可能だ。
フライブルクの先輩後輩の2人が、不安定になっているチュニジア代表守備陣を巧みに剥がし、左WBの中村敬斗や最前線の上田綺世が仕留める形に持ち込めば、そこまで苦労せずにゴールは奪える。
仮に堂安と鈴木唯人のコンビで攻撃が停滞したとしても、ベンチには伊東が控えている。
さらに、スピードで局面を打開できる前田、長身でハードワークができる町野と後藤、貪欲に泥臭くゴールに迫れる塩貝健人がいるため、そういった面々をうまく組み合わせていくことも重要だ。