
チュニジア代表MF ハンニバル・メイブリ【写真:Getty Images】
チュニジア代表はスウェーデン戦で大敗後、サブリ・ラムシ監督を電撃解任し、エルベ・ルナール監督を招聘した。新体制で臨む相手に対し、日本代表はどう戦うべきなのか。シュタルフ悠紀監督の分析から、チュニジア戦のポイントを探る。[1/1ページ]
監督交代で読みづらくなったチュニジア代表

チュニジア代表の監督に就任したエルヴェ・ルナール【写真:Getty Images】
チュニジアの新監督に就任したのは、サウジアラビア代表などで指揮経験を持つエルベ・ルナール。日本をよく知る指揮官を迎えたことからも、第2戦となる日本代表戦に照準を合わせていることがうかがえる。
チュニジアが新監督の下でどのようなサッカーを志向するかを予測するのは難しい。では、日本代表にはどのような姿勢が求められるのか。
シュタルフ氏は「自分たちがゲームを主体的に運ぶところに持っていかないといけません」と語る。ここで言う主体性とは、単にボールを保持することではない。「自分たちの得意なゲームに相手を引きずり込んでいく」という意味だ。予測が難しいチュニジア戦だからこそ、日本がどれだけ支配的に試合を進められるかが重要になる。
あくまでスウェーデン戦を踏まえた分析として、シュタルフ氏はチュニジアについて「想定していたよりも、組織としての規律は少なく、攻撃で特徴的なパターンも目にとまりませんでした」と見る。
狙い目はスリーバックの前にできるスペース
チュニジア代表MFハンニバル・メイブリ【写真:Getty Images】
攻略のポイントは、10番のハンニバル・メイブリの動きにある。自由にポジションを取るハンニバルに合わせて、チュニジアの中盤は「3枚が広範囲に動く」ため、スリーバックの前にスペースが空きやすいという。シュタルフ氏は「そこにいい縦パスを入れていけば、日本の得意なコンビネーションを出せるシチュエーションは増える」と指摘する。
サイドにも狙い目はある。「ウイングバックの背後のカバーリングも、スリーバックが献身的にやっている印象はありませんでした」とし、中村敬斗や伊東純也らの突破力が生きる可能性にも触れた。
一方で、チュニジアの予測しづらいプレーには警戒が必要だ。「組織的な規律を正しく守らないチームの方が、日本は苦手なイメージがあります」とし、セオリーとは異なるパスやランニング、意表を突くシュートへの集中力が求められるという。
守備面では、日本側の課題も挙げた。「ボールホルダーに対する守備の寄せは少し甘い」と指摘し、「ボックス周辺で守るなら、もう少しアグレッシブに、距離や圧力を高めていかないといけない」と強調する。
実際にオランダ戦では、セットプレーの流れから寄せが遅れ、ライアン・フラーフェンベルフに自由にクロスを上げられたことが失点の一因となった。シュタルフ氏が指摘する「寄せの甘さ」は、日本が今後改善すべき課題の一つと言えそうだ。
新体制で臨むチュニジアは、読みづらさを増している。それでも日本に求められるのは、相手に合わせることではなく、自分たちの強みに引き込むこと。日本代表にとってカタール大会からの“進化”が問われる一戦となりそうだ。
(取材・文:高橋大地)
【プロフィール:シュタルフ悠紀リヒャルト】
1984年8月4日生まれ、ドイツ・ボーフム出身のサッカー指導者。現役時代はMFとして、FCチューリッヒやジェフユナイテッド市原・千葉リザーブスなど複数国のクラブでプレーした。引退後は指導者に転身し、Y.S.C.C.横浜、AC長野パルセイロ、タイU-20代表などで監督を歴任。2024年からSC相模原を率いている。JFA公認S級コーチ、UEFA Aライセンスなどを保有し、ドイツと日本、アジアでの経験を生かした戦術眼と熱量ある指導に定評がある。
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