
シュートを1本も打てなかった韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループA第2節・メキシコ代表vs韓国代表が現地時間18日に行われ、メキシコ代表が1-0で勝利した。勝負を分けたのはGKキム・スンギュのキャッチミスによる一瞬の隙だったが、それはあくまで結果に過ぎず、試合全体では韓国代表の構造的な停滞が浮き彫りとなった。(文:安洋一郎)[1/2ページ]
メキシコ代表が首位通過を決定
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グループAの首位通過が決定したメキシコ代表【写真:Getty Images】
試合の均衡を崩したのは、まさかのプレーだった。
グループA首位通過を懸けたメキシコ代表と韓国代表の一戦は、50分に動いた。GKキム・スンギュのキャッチミスを逃さなかったルイス・ロモが押し込み、これが決勝点となった。
試合に敗れた韓国代表からすれば、このミスが決勝点につながった以上、敗因として真っ先に取り上げられるだろう。
この場面は明確なミスだ。落下地点に入ってボールをキャッチしようとしたキム・スンギュとDFイ・ギヒョクのポジションが重なった連係不足が失点に直結した。
しかし、このミスだけが敗因ではない。
今大会の韓国代表は、守備時に5バックを形成するキム・ミンジェ中心の最終ラインとGKキム・スンギュが安定したパフォーマンスを見せており、ロングボールやクロスへの対応、ボックス内でシュートを打たれた際のセカンドボールへの反応は素晴らしいものがある。
むしろチームとしての課題は、「保持での振る舞い」と「ボックス内でのチャンスの少なさ」だ。
メキシコ戦は前半に53%、後半に63%もボールを握りながら、最初の枠内シュートは87分だった。
ゴール期待値が明らかにするチャンス不足

試合後に肩を落とす韓国代表【写真:Getty Images】
データサイト『Opta』によると、試合を通して韓国代表は「0.91」のゴール期待値(xG)を記録した。
xGは、過去の統計を基に、シュートを放った位置やゴールまでの距離、相手がブロックにいるか、シュートを放った足や頭などの箇所などから算出されたデータである。
この試合での韓国代表は、87分の決定機から最初のFWチョ・ギュソンのヘディングシュートで「0.444」、そのこぼれ球に倒れながら押し込もうとしたMFヤン・ヒョンジュンのシュートに「0.262」の数値がついている。
すなわち全体の「0.91」のうち、77.5%に該当する「0.706」のゴール期待値が、87分のシーンから生まれている。
これは韓国代表が試合を通じて決定機創出に苦戦していたことを示すデータと言えるだろう。
実際にメキシコ代表のハビエル・アギーレ監督も「彼ら(韓国)が我々を脅かすことはほとんどなかった」と語り、韓国代表の攻撃はほとんど機能していなかった。
エースを活かせない韓国代表

57分に途中交代となる韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】
韓国代表の攻撃がメキシコ代表の脅威にならなかった要因の一つが、エースのソン・フンミンを活かすことができていないからである。
プレミアリーグ通算127ゴールを記録した点取り屋は、第1節チェコ戦に続いて早い時間帯での交代となり、この試合では57分にベンチへと下がった。
その間に放ったシュートは0本で、ボールタッチ数もわずか19回。
ボックス内でのボールタッチは、55分に高い位置でボールを奪って発動したショートカウンターの場面で記録した1回のみ。その直後の57分に交代となった。
ただし、16分には裏抜けからGKの飛び出しを冷静に見て放ったループと31分に左WBのソル・ヨンウからの落しを受けてから左足を振った場面もあった。
しかし、いずれも彼自身、もしくは味方選手がオフサイドだったため記録にはカウントされていない。
シュートを打てなかったのは、ソン・フンミンだけではない。彼が出場していた57分の間に生まれたシュートはわずか2本。xGも「0.11」であり、チームとして攻撃を完結できなかったのだ。