
サッカー日本代表MF田中碧【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループリーグ最終戦のスウェーデン代表戦に臨む日本代表。この試合で、キーマンの一人となりそうなのが田中碧だ。チュニジア代表戦では攻守両面で圧巻のパフォーマンスを披露し、勝利に大きく貢献。大一番となるスウェーデン戦でも、彼の存在が勝敗のカギを握る。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
森保一監督「勝つことを基本に考える」

サッカー日本代表 森保一監督【写真:元川悦子】
「明日に関しては、勝つことを基本に考える試合かなと思っています。もちろん1位通過を目指したい気持ちはありますけど、大量得点を狙いにいって、チームのバランスを崩して、選手起用を変えて、チームのやっていることがバラバラになることの方がリスクだと思います」
目下、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)F組2位につけている日本代表の森保一監督がグループ最終戦・スウェーデン代表戦を翌日に控えた記者会見で強調した通り、25日のゲームはまず勝ち点3を確保するところからがスタートだ。
現状では1・2・3位の全ての可能性があり、1位通過だとモンテレイでモロッコ代表と、2位通過だとヒューストンでブラジル代表との対戦が決定。3位の場合はフランス代表が有力視されているが、混沌とした状況なのは確か。
ただ、日本が「優勝」を公言している以上、グループリーグは最低2勝をマークし、今後に弾みをつけておく必要があるだろう。
となれば、チュニジア代表戦からスタメンを大幅に変えるのはややハードルが高い。30代の伊東純也や2戦連続スタメンの伊藤洋輝や鎌田大地らを温存するのは一案ではあるが、果たして指揮官はどのような陣容で戦うのか。そこはスウェーデン戦の大きな注目点と言っていい。
田中碧がチュニジア戦で示した真骨頂

サッカー日本代表MF田中碧【写真:田中伸弥】
こうした中、ボランチに関しては、今季ドイツ・ブンデスリーガでフルタイム出場を果たしたダイナモ・佐野海舟とチュニジア戦で今大会初出場を飾り、秀逸のパフォーマンスを見せた田中碧のコンビが継続されるはずだ。
チュニジア戦の田中碧は序盤から異彩を放った。まず開始早々の3分に鎌田が先制点を奪ったシーンでは、上田綺世が右に流れてタメを作った瞬間、ハーフウェーライン手前から40メートル近い距離を一目散に走ってボールを受け、反転して中村敬斗に展開。鎌田の飛び出しを演出している。
田中碧の大胆な飛び出しが相手守備陣をかく乱。ギャップを生み出し、鎌田が侵入するスペースを作った。
3列目からのダイナミックな飛び出しと、迫力あるフィニッシュは田中碧の真骨頂。第2次森保ジャパンでは、最終予選までは遠藤航・守田英正のバックアッパー、それ以降は佐野・鎌田コンビの控えという位置づけだったため、代表での出番が少なく、自身のストロングを発揮するチャンスが少なかった。
だが、3年半という時間をかけて、彼は着実に武器を磨き上げていたのである。
「日頃からプレミアリーグで…」

プレミアリーグに所属するリーズでプレーする田中碧【写真:Getty Images】
この試合では、攻撃参加のみならず、最終ラインに下がってビルドアップに関与し、多彩な展開力を見せつけた。伊東純也の3点目につながった69分の上田綺世への縦の一刺しも田中らしいプレーだった。
加えて、試合を通して凄まじい守備強度を披露。相手にボールが渡った際の“即時奪回”の意識は、ドイツ2部・デュッセルドルフでプレーしていた頃とは比べ物にならないほど向上していた。
「守備に関しては、日頃からプレミアリーグでやっているのもありますし、それが自分の成長につながっているのかな」と本人も自信をのぞかせる。
今季初参戦した念願のプレミアリーグでは、球際や寄せの激しさ、ボール奪取の部分でやや足りないと判断され、出番が激減した時期もあった。それでも、分析力に優れる田中碧は、自分に足りないものを徹底的に分析し、それを追い求める作業を怠らなかった。
だからこそ、チュニジア戦で鮮烈な印象を残すことができたのだろう。
この働きぶりで、森保監督は「鎌田を一列上げて使い続けても大丈夫だ」と確信したのではないか。