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「みんなの顔を見て話すのが…」板倉滉が受け継ぐ日本代表のキャプテンシー。「本気で優勝を目指せるチーム」で託される使命とは【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa,Shinya Tanaka,Getty Images
板倉滉 日本代表
サッカー日本代表DF板倉滉【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)ラウンド32で、日本代表はブラジル代表との大一番に挑む。主力の負傷離脱が相次ぐ苦境の中、チームを束ねるのは、遠藤航からキャプテンマークを引き継いだ板倉滉だ。悲願のW杯優勝へ歩みを進めるため、森保ジャパンの新キャプテンには、ピッチ内外でこれまで以上に大きな役割と責任が託されている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

総力戦で挑む大一番

サッカー日本代表 堂安律
ブラジル代表戦に向けて前日トレーニングを行ったサッカー日本代表【写真:元川悦子】


 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)開幕から約3週間が経過し、28日からはラウンド32に突入。ホスト国の1つであるカナダ代表が南アフリカ代表を1−0で下し、今大会のベスト16進出一番乗りを決めた。

 29日12時(日本時間30日2時)からブラジル代表戦に挑む日本も、カナダに続きたいところだ。

 W杯過去5回優勝のサッカー王国は「2002年日韓W杯で優勝した時代のロナウド、リバウド、ロナウジーニョのようなスーパータレントはいない」とも言われるが、個のタレント力は依然として世界トップクラスだ。

 鎌田大地も同じイングランド・プレミアリーグでプレーするガブリエウ・マガリャンイスについて「間違いなく今のプレミアの中でトップ3に入るCBだと思う。本当に滅多にお目にかかれるレベルではない」と称賛。

 インサイドハーフを主戦場とするブルーノ・ギマランイスに対しても「イタリア、ドイツでは少なくとも見れるレベルの選手ではない」と語っており、個々のレベルでは相手に分があるのは間違いない。

 それでも日本には「W杯優勝」という大きな目標がある。大会前には南野拓実、三笘薫という攻撃のキーマンが負傷し、さらには前キャプテンの遠藤航も離脱。初戦・オランダ代表戦では久保建英までもが左ひざを痛めるなど、戦力的には本当に厳しいが、総合力と結束力でこの苦境を乗り越えていくしかないのだ。

 そこで重要になるのが、キャプテンのリーダーシップ。ご存じの通り、オランダ戦3日前に遠藤から重責を引き継いだのは板倉滉だ。

森保一監督が板倉をキャプテンに指名したワケ

北中米W杯 GS第2節 vsチュニジア サッカー日本代表 森保一監督
サッカー日本代表 森保一監督【写真:田中伸弥】


 森保一監督に「滉はこれまでも長く一緒に戦ってきた仲間ですし、私が掲げるコンセプトをピッチ内外で理解してくれる。かつ、いろんな選手とコミュニケーションを取りながらチームの雰囲気を作ってくれることを期待して、キャプテンを任せました」と言わしめる人間力を、この緊急事態で遺憾なく発揮しているのだ。

 実際、板倉はキャプテンになってから毎日メディアに対応。チームの矢面に立ってきた。自身はオランダ戦をベンチから見守り、25日の第3戦・スウェーデン代表戦前半に左太もも裏の違和感を訴え、途中交代を強いられたにも関わらず、周りに対して気配りを続け、真摯に向き合い続けているのだ。

 その立ち振る舞いは、2010年南アフリカW杯直前に中澤佑二からキャプテンを引き継いだ長谷部誠と重なるものがある。

 ブラジル戦に向け、彼自身の状態も上向いている様子だ。28日の前日練習は冒頭から合流し、「最初のところは入らせてもらいました。必要な場面があったらやるだけという状態です」と本人は強調。プレー可能であることをアピールした。

カタールW杯で川島永嗣が見せた姿勢

2022年カタール大会に出場したサッカー日本代表 川島永嗣
2022年カタール大会に出場したサッカー日本代表 川島永嗣【写真:Getty Images】


 だが、森保監督はリスクのある選手をスタートからは起用しないだろう。おそらく今回も谷口彰悟を先発起用し、延長・PK戦も視野に入れながら、いざという時が来れば、背番号「4」を投入する思惑ではないか。

 その時に備えて、板倉は可能な限りコンディションを整えつつ、チームをしっかりと引き締めていくことが重要になる。

 新キャプテンは、ここまでの3試合すべてで試合前に選手ミーティングを実施し、自らの熱い思いを伝え続けてきた。そしてこの大一番でも「自分たちはここで終わるチームじゃない」ということを全員に伝えるはずだ。

 それは板倉を筆頭に、当時の若手たちが2022年カタールW杯のスペイン代表戦前に川島永嗣から伝えられ、心を揺さぶられた言葉である。

 3年半前の川島は出番がないにも関わらず、献身的にチームを支え、そのミーティングで涙を見せるほど、代表への深い愛を示していた。今の板倉も同じようなアクションを起こすことが必要なのかもしれない。

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