
京都サンガF.C. 福岡慎平【写真:元川悦子】
京都サンガF.C.は、新指揮官ランコ・ポポヴィッチ監督の下で新シーズンを迎える。その中で大きな飛躍を期すのが、背番号「10」を背負う福岡慎平だ。FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)で同世代の活躍を目の当たりにしたことで、さらなる成長への思いを一層強くしている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
ランコ・ポポヴィッチ体制で迎える新シーズン

京都サンガF.C.の監督に就任したランコ・ポポヴィッチ【写真:Getty Images】
史上初の夏開幕となる26/27シーズン開幕まで3週間。J1・20クラブのうち、このタイミングで監督交代に踏み切ったのは5クラブで、その1つが京都サンガF.C.である。
ご存じの通り、京都は2021年から曺貴裁監督体制で5年半戦い、J1昇格、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)出場権獲得と着実にステップアップしてきた。
その功労者が5月に退任。吉田達磨コーチが暫定的にシーズン終了まで指揮を執り、今季からはランコ・ポポヴィッチ監督率いる新体制へ移行することになった。
ポポヴィッチ監督と言えば、2009年の大分トリニータを皮切りに、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪、鹿島アントラーズの5クラブを指揮。Jリーグに精通した指導者だ。
町田では佐野海舟を引き上げ、鹿島では知念慶をボランチにコンバートし、Jリーグベストイレブンに押し上げることに成功。同年新人だった濃野公人も大ブレイクさせた。
鹿島では1年足らずで解任という憂き目にあったが、個人の成長に貢献したのは確か。今季の京都でも、同じように個々のタレントを大きく伸ばしてくれれば理想的だ。
「2ボランチをやるのは…」

京都サンガF.C. 福岡慎平【写真:Getty Images】
「ポポさんはボランチへの要求が高いし、運動量も多い。フォーメーションも昨季までと全然違うんで、求められることも変わってくるし、自分もまた成長の幅が広がるかなという感覚はあります」と前向きに話すのは、現在、沖縄キャンプで全力を注いでいる福岡慎平だ。
曺監督時代は4-3-3をベースにしていたため、彼は主にアンカー役を担っていたが、ポポヴィッチ監督は4-2-3-1がメイン。ボランチは2枚になる。
となれば、彼自身が尹星俊やジョアン・ペドロ、齊藤未月らとコンビを組んで中盤をコントロールする機会も増えるはず。そこで異彩を放つことができれば、佐野海舟や知念のように、大きく飛躍を遂げる可能性も十分にある。
「2ボランチをやるのはかなり久しぶり。U-17日本代表時代は(平川)怜とボランチを組んでいましたけど、本当にあの頃以来と言ってもいいくらいじゃないですかね。怜とやっていた時は自分も前へ出て行ってゴールを決めたりもしていた。
アンカーだとバランスを見ることが最優先になるんで、なかなか前に行けなかったですけど、これからは目に見える結果も残していけるんじゃないかなという気がしています」と福岡は森山佳郎監督(現ベガルタ仙台)の下で日の丸を背負っていた日々に思いを馳せつつ、20代後半での大躍進を誓ったのだ。
約10年前の福岡は、同じ2000年生まれの中村敬斗、菅原由勢、瀬古歩夢、1つ下の久保建英を従えるキャプテンとしてチームを統率していた。
福岡のインテリジェンスとリーダーシップは目を見張るものがあり、彼が大黒柱としてしっかり仕事をしていたから、個性豊かな“00ジャパン”はうまく機能していたのだ。
「自分も負けていられないと…」

U-17日本代表時代の福岡慎平【写真:Getty Images】
「今回のワールドカップ(北中米W杯)ももちろん見ましたけど、当時の仲間が選ばれていたし、(同じ2000年生まれの)海舟なんかも同じポジションで頑張っていた。自分も負けていられないという気持ちになりましたね。
特に敬斗は結果を残しましたけど、ああいう大舞台で活躍するのが敬斗。U-17の頃も(2017年U-17)W杯(のホンジュラス戦)でハットトリックしたりしてたし、“持ってる男”なんですよね(笑)。
みんなが世界で戦っているのを見たら、自分も2030年はそこに行かなきゃいけないと思う。ゴール、アシストが取れるようになれば、上に行けるボランチになれるかなと考えています。
戦術眼やゲームを動かす部分は(曺監督体制だった)この5~6年間で身に着けたものがあるんで、そこにプラスして得点やアシストできる選手になることが大事。そうすれば、海外や代表も見えてくるはずです」と福岡は語気を強めていた。
彼の場合、170センチというサイズが世界を目指すうえで1つのネックになっていた。けれども、172センチの後輩・川﨑颯太がマインツへ赴いたのを見れば、小柄な選手でも世界基準のレベルに到達するのは可能なのだ。