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J1 2時間前

「自分が屋台骨として」。鹿島アントラーズ25歳・松村優太が背負う“中堅”の使命【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images, 松岡健三郎
松村優太 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズ所属MF松村優太【写真:Getty Images】



 昨年12月の左肩手術を乗り越え、約半年ぶりに戦列に戻った鹿島アントラーズの松村優太。明治安田J1リーグ開幕節の横浜F・マリノス戦では、途中出場のジョーカーとして流れを変え、後半の3得点に絡んで2点差からの4-3の劇的逆転勝利を呼び込んだ。25歳となった今、自らに求めるのはチームを支える「屋台骨」としての役割。鹿島で7年目を迎えた松村が語る覚悟と使命感に迫る。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

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明治安田J1リーグ第1節
横浜F・マリノス 3-4 鹿島アントラーズ
MUFGスタジアム(国立競技場)

不安定な自チームをベンチから見つめていた松村優太

2026/27明治安田J1リーグ開幕節 横浜F・マリノス対鹿島アントラーズより、鹿島の写真撮影
横浜F・マリノス戦に臨む鹿島アントラーズ【写真:松岡健三郎】


 2025年の明治安田J1リーグで悲願の9年ぶりのタイトルを手にしたものの、2026年のJ1百年構想リーグではプレーオフでヴィッセル神戸に敗れて2位に甘んじた鹿島アントラーズ。シーズン移行元年の2026/27シーズンはAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)も入ってくるため、より一層タフな戦いを強いられることになる。

 重要な今季を迎えるに当たり、クラブはマテウス・ブエノやヤン・マテウスというJリーグで実績のあるタレントを補強。その一方で、昨季までの主力だった濃野公人(D.C.ユナイテッド)、荒木遼太郎(シント=トロイデンVV)が海外移籍の道を選んだ。

 知念慶(横浜F・マリノス)、師岡柊生(アビスパ福岡)も外に出て、舩橋佑(水戸ホーリーホック)らもレンタルで武者修行に出るなど、やや選手層が薄くなった印象もあった。

 そこに追い打ちをかけたのが、7月のJヴィレッジキャンプでの安西幸輝と樋口雄太の負傷だ。となれば、鬼木達監督も若手の台頭を加速させるしかない。東京・MUFGスタジアム(国立競技場)にJ史上最高の6万3960人を集めて行われた横浜F・マリノスとの開幕戦で18歳の吉田湊海を先発に抜擢したのも、そういった意向があってのことだろう。

 吉田とヤン・マテウスがスタートから出た分、プロ7シーズン目の中堅・松村優太はベンチから戦況を見守ることになった。

 序盤からマリノスの16歳の新星・三井寺眞、エースFW谷村海那に立て続けにゴールを許す不安定な入りを目の当たりにしながら、「自分に出番が来たら、与えられた役割を遂行する」と気持ちを高めていたという。

新シーズンを迎えて得た自信「これまでとは違った形で…」

鹿島アントラーズ 鬼木達監督
鹿島アントラーズを率いる鬼木達監督【写真:Getty Images】


「オニさんとも喋っていましたし、この試合に限ってはジョーカー的な役割を与えられていました。もちろんスタートから出るのが選手としては一番いいことだと思うし、それを目指しながらも、与えられた時間の中で仕事をすることだけを考えていました」と本人は自らに言い聞かせるように話していた。

 鬼木体制移行後の松村は切り札的な起用がメインだが、それは約5年間、抱えていた左肩脱臼の影響による部分も大きかった。昨年12月に手術に踏み切り、3月中旬に復帰。そこから百年構想リーグは走り切ったが、どこか違和感が拭えなかったようだ。

「それを克服するためにオフの間、半年間の映像を見たりして、本当にいろんな取り組みをしました。その効果もあって、プレシーズンの時から体が動いている感覚があったんで、これまでとは違った形でできるという自信はありました」と彼は強調する。

 フレッシュな状態を取り戻していただけに、本人としてはスタメンで出たいという欲は非常に強かったはずだが、チームの勝利を第一に考え、じっと出番を待ち続けたという。

 背番号27が呼ばれたのは、1−2の劣勢で折り返したハーフタイム。吉田との交代で後半から左MFに入り、最大の武器であるドリブル突破を次々と見せていく。鹿島は主導権を奪い返し、いいリズムで攻めていたが、ワンチャンスから3失点目を献上。1−3というスコアはさすがに厳しいと思われた。

「誰がいつケガをするかも分からないので…」

松村優太 鹿島アントラーズ
3得点に絡んだ松村優太【写真:Getty Images】


 それでも、鬼木監督はめげることなく林晴己、柴崎岳ら持てるカードを次々と切り、攻め込んでいく。松村も右MFに回り、積極的な仕掛けから披露。その姿勢が81分のレオ・セアラの2点目を生み出した。彼が鈴木優磨を目がけて蹴り込んだクロスは絶妙で、足が止まったマリノスは全く対応できなかった。

 2−3に追い上げたところで、指揮官はアレクサンダル・チャヴリッチと徳田誉も投入。松村は右サイドバック(SB)に下がることになった。

「今まで公式戦では短時間やったことはありましたけど、比較的長い時間は初めて。でも今季はACLEもあるし、誰がいつケガをするかも分からないので、自分の幅を広げる意味でもできることはやりたいと思って入りました」と本人も前向きにトライした。

 強い向上心と勝利への渇望が86分の鈴木優磨の同点につながる鋭いクロスに表れたかと思われた。しかし、これは惜しくもオフサイド。ゴール取り消しは松村自身も悔しかったはずだ。

 そういうシーンがあっても、25歳のアタッカーは前矢印を貫き、後半アディショナルタイムにはチャヴリッチのPK同点弾の起点となるインサイドへの仕掛けを見せた。これで3−3に追いつくと、終了間際には自らの突破から右CKをゲット。チャヴリッチの4点目を生み出すきっかけを作ったのである。

 結果的には自身のアシストこそつかなかったものの、松村は後半の全3ゴールの起点を作り、劇的逆転勝利の原動力となった。

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