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J1 4時間前

「スタメンで使ってくれ」浦和レッズ、肥田野蓮治がぶつけた思い。譲れないポジション争いへ「熱い思いを持った選手がピッチに立つべき」【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 フリーライター photo by Getty Images
浦和レッズ 肥田野蓮治

浦和レッズ 肥田野蓮治【写真:Getty Images】



 鮮烈なデビューを飾りながら、次第に遠ざかっていったスタメンの座。それでも肥田野蓮治は、訪れた短い出場時間にすべてをぶつけた。結果は残せなかったが、ピッチで示した積極性は確かな存在感を放った。悔しさを力に変え、再びスタメンの座をつかみ取るために。若きアタッカーは次のチャンスを見据えている。(取材・文:菊地正典)[1/2ページ] 

明治安田J1リーグ第3節
FC町田ゼルビア 3-1 浦和レッズ
MUFGスタジアム

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鮮烈なデビューから一転、肥田野蓮治に訪れた試練

浦和レッズFW肥田野蓮治

加入直後に鮮烈なインパクトを残した浦和レッズの肥田野蓮治【写真:Getty Images】


 出番を与えられたのは、1-3の2点ビハインドで迎えた80分だった。アディショナルタイムを含めて10分余りと決して長い時間ではない。

 それでも、肥田野蓮治は並々ならぬ決意でFC町田ゼルビアと対戦するMUFGスタジアムのピッチに入った。

「自分が感じている悔しい思いを試合にぶつけてやろうと思って試合に入りました」

 遡ること9カ月前。デビューは鮮烈だった。

 特別指定選手だった2025年、リーグもラスト2試合となった第37節、アウェイでのファジアーノ岡山戦にスタメン出場すると、デビュー戦で初ゴール。大卒ルーキーとして迎えた明治安田J1百年構想リーグも、開幕戦となったジェフユナイテッド市原・千葉戦でスタメン出場してゴールを決めると、開幕5試合中4試合にスタメン出場して3ゴールを記録した。

 町田戦を迎える時点で18試合5得点。それ自体は決して悪い数字ではない。ただ、5得点のうち4得点が昨年の岡山戦とJ1百年構想リーグの開幕5試合に偏っている。

 J1百年構想リーグでは開幕6試合中5試合でスタメン出場したが、第7節以降はプレーオフを含めて14試合中5試合に減少していた。26/27シーズンも開幕戦となったガンバ大阪戦は、メンバー入りしながら出場機会を得られなかった。

 それでも、第2節のサンフレッチェ広島戦に続き、途中出場とはいえ2試合連続でチャンスを得た。今季からチームを率いる曺貴裁監督から求められたのは、自身も得意だと自負するプレーだった。

「いつも以上に覚悟を持って…」

浦和レッズ 肥田野蓮治

浦和レッズ 肥田野蓮治【写真:Getty Images】


「(第2節の)広島戦の前までの練習では右や左でプレーすることが多かったのですが、今週の練習は一番前だったので、出るとしたら一番前だと思っていました。求められていたのは、前線からプレスや背後へのスプリントです。なので、いつも以上に覚悟を持って試合に臨みました」

 そんな強い思いでピッチに入ると、1プレー目で浦和レッズのファン・サポーターを興奮させた。

 自身が入った直後、スローインからの相手の攻撃を防いだ西川周作がボールをピッチに転がすと、一気にゴールに向かってスプリントする。

「背後のスペースが空いているという分析もありましたし、シュウさんが良いボールを蹴ってくれると信じて走りました。スピードは絶対に通用すると思っていました」

 その自信どおり、町田の3バックの中央、岡村大八をスピードで振り切る。そのまま町田のGK谷晃生しかいない敵陣ペナルティーエリアに侵入すると、左足でシュートを放った。

 しかし、ボールはゴールの外側からサイドネットへ。そのプレーを目の前で見た浦和のファン・サポーターの興奮の歓声は、落胆のため息に変わる。

 さらにその直後、ゴールキックからボールを受けた谷に猛然とプレスをかけ、ボールを奪った。こぼれ球を拾った金子拓郎が左足でループ気味のシュートを放つ。しかし、ボールはがら空きになったゴールから無情にも左へ外れていった。

 ピッチに入ってから一気に2つの決定機を創出したにもかかわらず、スコアは動かせなかった。

「マイナスには捉えていません」

浦和レッズ 肥田野蓮治

浦和レッズ 肥田野蓮治【写真:Getty Images】


 途中出場で流れを変える役割の重要性は分かっている。スピードと決定力という武器がスーパーサブに適していることも理解している。広島戦も町田戦も役割を全うするつもりでピッチに入った。

「そういう使われ方をするのはまったくマイナスには捉えていません。与えられた時間でひたむきに自分のやれることを100%でやるしかないですし、そうすることで結果がついてくると思っています」

 それでも――。

「やっぱり『スタメンで使ってくれ』という思いで試合に臨みました」

 だからこそ、流れを変えたかった。ゴールを決めたかった。チャンスがあっただけに、スタメンの座をつかみ取るために重要な結果を残せなかったことに悔いが残る。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、肥田野はピッチにうずくまった。アドレナリンが切れたのか、谷にプレスをかけた際に接触した左足首に痛みを覚えたこともある。

「でも、それ以上に悔しかったんです。あの時間帯で自分が決めていれば、まだ勝つチャンスがあった。そういう中で決め切れるように、もっとこだわっていかなければいけません」

 だが、下を向いているつもりはない。試合後すぐ、視線はもう次のアピールの場へと向いていた。

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