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日本代表に足りない“勝つサッカー”。チームを変えるカギは“リーダー内田篤人”か?

コンフェデで日本は何を学んだのか? 結果は惨敗に終わってしまったが、収穫は大きい。大会期間中、日本代表を中心に取材した2人のジャーナリストが対談し、W杯までの課題を検証する。果たして、“勝つためのサッカー”に必要なこととは?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Kenzaburo Matsuoka

90分間を通した戦いに課題があったザックジャパン

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「良いサッカーで勝つ」ことを目標にしているザックジャパン【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 日本はブラジル、イタリア、メキシコに敗れて3連敗となりました。この結果を受けて「ザックを解任するべき」という声もあります。個人的には大会前に本田圭佑が「優勝を目指す」と宣言したことで必要以上にネガティブに受け止められている気がする。「優勝」が目標だったのにグループリーグで3連敗となったわけですから。

河治 当事者は可能性があると思えば優勝を目指すのは当然のことだと思うんです。ただ実際のところでバランスをとるのが監督の仕事だし、メディアは客観的な視点で対戦相手の力関係を分析していかなければいけない。

 イタリア戦のパフォーマンスを見ればわかるように日本にはポテンシャルがあるのは間違いない。自分たちのコンディションと相手のコンディションなど条件がハマれば強豪国にも勝てると思う。ただ、90分間を通した戦い方という点では大きな課題があることがわかりましたね。

河治 象徴的なのがイタリア戦の2点をとった後のプレーですよね。日本は2点をとるまでと同じようにゴールに向かって積極的にプレーしていた。もしも良いサッカーをすること、手応えをつかむことを目標にしているなら、あれでもいいと思うんですよ。

 でも勝つことを目標にしているのであれば、あそこで試合のペースを落としたりしてリフレッシュすることが必要だった。

 「勝つ」ことを目標にするのと、「良いサッカーをして勝つ」ことを目標にするのは同じようで全然違う。今のザックジャパンがやろうとしているのは後者ですよね。例えば、スペインとイタリアの準決勝。

 イタリアはあのサッカーを理想としているかと言えば、そうじゃないと思うんですよ。でも、スペインに勝つためには仕方ないよねという割り切りができる。つまり「勝つ」ことに目的を切り替えられる。

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