復調が待たれる大型CB
そんな現状にあって、早期の復活が期待されるのが、やや壁にぶつかりつつある西野貴治である。
187センチの上背を武器に3節以降、先発に定着していた2年目の長身CBだが、7月3日の岐阜戦で失点に絡むミスを犯して以来、自らのパフォーマンスを見失っていた。
「メンタル的な部分も大きかったが、岐阜戦でミスして以来、練習試合でもキレがなかった」(西野)。
終盤押し込まれる展開を強いられるとクロスボールの対応に課題を持つチームだけに、長谷川監督も「高さの面でも貴治には早く戻って欲しい」。
前節の岡山戦で丹羽大輝でなく、まだ完全復調にはほど遠い背番号26をピッチに送り出したのも、高さ対策を含めた期待の現れだった。
「初めて両足がつった。緊張もあったけど情けない」と後半37分に途中交代を強いられたが、5試合ぶりの先発復帰を果たした19歳はどこか吹っ切れた表情を見せた。
もっとも安定感があるはずの岩下敬輔も8月中の復帰は微妙で、残されたCB陣はいずれも一長一短を持つ選手ばかり。そんな中で絶対的な高さを持つ西野の定位置奪回は、堅守を取り戻すためにも不可欠だ。
「監督からチャンスをもらえたので、やるしかない。もう一度レギュラーになりたい」(西野)。スター性あふれる期待のCBは、目の前の壁から逃げない決意を固めている。
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