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日本代表 8年前

アルジェリア関係者のハリル評。絶えなかったメディアとの軋轢。当時の右腕が語る真実【アルジェリア人記者の視点】

text by ヤシン・ブアリ photo by Getty Images

ハリルと見出した逸材、マフレズ

2014年のブラジルW杯でアルジェリア代表に招集されたマフレズ(左)
2014年のブラジルW杯でアルジェリア代表に招集されたマフレズ(左)【写真:Getty Images】

 アルジェリア代表時代のハリルホジッチは、規律の厳しさでも知られた。決められた規則を守れない者は容赦なく代表から追放した。シシャ(水タバコ)を吸っていたのが発覚してメンバーから外されたMFリヤド・ブーデブーもその一人だ。

 一方で、選手発掘の目にも長けていた。今夏、スポルティング・リスボンから現イングランド王者のレスターに3500 万ユーロで引き抜かれたストライカーのイスラム・スリマニ。彼がまだアルジェリアリーグでプレーしていた時代に、将来性を見抜いてチャンスを与えたのはハリルホジッチだった。スリマニがここまでブレイクする選手になるとは、当時は誰も予想していなかった。

 またディフェンスラインの統率役としてハリルホジッチに重用されたDFエサイード・ベルカレムも、代表チームでの活躍がきっかけで国内リーグのJSカビリーからイングランドのワットフォードに移籍するチャンスを得た。

 クリシは語る。

「ヴァイッドはメディアからのプレッシャーなど、ものともしませんでしたね。自分が見抜いた選手には躊躇なくチャンスを与えていた。そしてその見識眼には滅多に狂いがなかった。あのマフレズだって、W杯の2ヶ月前までは2部リーグ(※ル・アーブル)でプレーしていたんですから」

「何度か一緒に彼の試合を視察した後、ヴァイッドは言いました。『ノルディン、この選手はとんでもない逸材だ。ぜひとも代表チームに呼ぼう』と。当時アルジェリアのメディアは懐疑的でした。とくにW杯の直前という肝心な時期にスイス合宿でのテストマッチに彼を呼んだときは、論議を醸すことになりました。ところが初めてプレーしたアルメニア戦から、マフレズは素質をいかんなく発揮して周囲を驚かせると、本戦でも世界中の人たちの目前で大活躍してくれました」

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