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【クラブワールドカップ】ダビド・ルイス、ボランチ起用のワケ

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada


63分から投入されたクラブの顔、ランパード(写真はプレミアリーグ)【写真:山田一仁】

反発ムードをかき消したチェルシー攻撃陣

 そんな反発ムードもすぐに終わりを迎える。

 16分50秒頃、オスカールのヒールパスを受けたアシュリー・コールがフリーで待っているマタにクロスを入れると、マタが左足を一閃。先制ゴールが生まれる。

 普段であれば16分から17分の間、1分間拍手を続けるが、ゴールを無視するわけにはいかない。ディ・マッテオへの拍手は、歓声へと変わり、そしてマタへの拍手へと変わった。

 その後、チェルシーは攻勢を緩めるも、後半開始には一気にギアを上げる。

 46分、DFのクリアミスをアザールが拾うと、左サイドを駆け上がり、マイナスのクロス。ボールを受けたトーレスのシュートは枠を外れているようにも見えたが、相手DFに当たってゴールマウスに吸い込まれた。

 その直後の48分には、アザールのヒールパスをトーレスがもらうと、左サイドをドリブルし、右足アウトサイドで反対サイドのスペースへパス。DFラインの裏から飛び出してきたマタが中へ折り返すと、ボールはDFに当たってゴール。3-0とモンテレイを突き放した。

 凍てつくような寒さの中、選手たちのやや低調なパフォーマンスにストレスを貯めていた観客も、ようやく満足そうな顔を浮かべる。ベニテスへのブーイング機会を窺うような雰囲気はすでにない。

 加えて、63分にはランパードがピッチへ投入される。今シーズンは自身の怪我や新加入選手の活躍などで出場機会が限られているベテランMFだが、クラブの顔であることに変わりはない。まだベストパフォーマンスとはいかないものの、キャプテンマークを巻いてプレーするランパードがボールに触れる度に、観客はその姿に釘付けになっていた。

 もはやサポーターはベニテス“不支持”にうつつを抜かしている場合ではないのだ。

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