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FCバルセロナが優秀な選手を輩出し続ける理由

先に発表されたバロンドールで、メッシが4年連続の受賞を果たした。受賞したメッシや最終候補だったイニエスタはカンテラ出身の選手。なぜバルセロナは優秀な選手を次々と生み出せるのか。

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada


FCバルセロナが優秀な選手を輩出し続ける理由【写真:山田一仁】

ここ6年でのバロンドール最終候補18人中11人がカンテラ出身

 1月7日、FIFAバロンドールの授賞式が行われ、バルセロナに所属するリオネル・メッシが世界最優秀選手に選ばれた。メッシの受賞は4年連続であり、これは同賞で史上初のことだ。

 メッシはアルゼンチン人だが、幼き頃にバルセロナへ渡り、カンテラで育てられた、“純粋”なバルサの選手だ。今回、最終候補に選ばれたアンドレア・イニエスタもそう。ここ数年、バロンドール候補者の中にカンテラ育ちの選手が増えている。データを紹介しよう。

 2007年から今回まで、バロンドールの最終候補3人に選ばれたのは全部で18人。そのうちバルセロナ所属の選手は11人にのぼる。しかも、そのすべてがカンテラ出身選手だ。これはある種、異常な数字と言っていい。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリーを大きく引き離している。

 勘の良い人は既にピンと来ているかもしれない。ポイントは2007年にある。この年、バルセロナの監督に就任したジョゼップ・グアルディオラが劇的な変化をもたらしたのだ。それ以前にもロナウジーニョやフィーゴ、ストイチコフらがバロンドールを受賞しているが、もちろん彼らはカンテラ出身ではない。2007年より前にはカンテラ出身選手は同賞を受賞どころか、最終候補にも選ばれていないのだ。

バロンドール受賞者

年度 順位 選手名
2007年 1位 カカ(ACミラン)
2位 クリティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)
3位 リオネル・メッシ(バルセロナ)
2008年 1位 クリティアーノ・ロナウド(マンチェスター・ユナイテッド)
2位 リオネル・メッシ(バルセロナ)
3位 フェルナンド・トーレス(リバプール)
2009年 1位 リオネル・メッシ(バルセロナ)
2位 クリティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)
3位 チャビ(バルセロナ)
2010年 1位 リオネル・メッシ(バルセロナ)
2位 アンドレア・イニエスタ(バルセロナ)
3位 チャビ(バルセロナ)
2011年 1位 リオネル・メッシ(バルセロナ)
2位 クリティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)
3位 チャビ(バルセロナ)
2012年 1位 リオネル・メッシ(バルセロナ)
2位 クリティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)
3位 アンドレア・イニエスタ(バルセロナ)

※所属クラブは当時

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