フランス人ジャーナリストが斬る日本代表「ジャポンはスウェーデンやクロアチアと同じレベル」

守勢に回ったとはいえ、日本代表は敵地でフランスに勝利した。「サンドニの悲劇の払拭」などと一部日本メディアは嬉々として報じたが、かの地フランスとは少々温度差があるようだ。敏腕ジャーナリストによる冷静な分析を聞いてみることにしよう。

2013年01月11日(Fri)7時52分配信

text by 田村修一 photo Kenzaburo Matsuoka
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【サッカー批評issue59】掲載

 10月12日、スタッド・ド・フランスで日本代表に歴史的な敗戦を喫したフランス代表は、日本がブラジル代表と戦った10月16日には、マドリーでスペイン代表と対戦した。W杯予選の行方を占うこの大一番でフランスは、4日前のシナリオを、役者を逆にしてなぞる展開で、世界・欧州ダブルチャンピオン相手に引き分けに持ち込んだ。

 2つの試合から、どんな真実が見えてくるのか。フランスだけでなく、世界ナンバー1のスペインをも視野に入れたときに、明らかになる日本の現状と課題は何であるのか。2試合を取材したフランス人記者たちに話を聞いた。

フランス戦の前半と後半 展開が違ったのはなぜか

「前半の日本は、フランスを恐れていたように見えた。過去の敗戦の記憶――もちろん選手は同じではないが、とりわけ雨のサンドニで5対0と完敗した、01年3月の親善試合の記憶――をひきずって、思うようにリズムが作れなかった」と、オンズ・モンディアル誌のニコラ・ガトリフ記者は語る。フランス代表ばかりでなく、各大陸の主要大会も取材するガトリフは、日本代表も98年フランスW杯以降は継続的に見ている。

「しかしフランスが圧倒的に攻めながら、点を取れなかったことで日本も自信を回復した。後半になるとフランスを攻撃で脅かしはじめ、最後は素早いカウンターアタックでゴールを決めた。しかしもっと前から同じことはできたはずだ。俊敏な選手たちを集め、ザッケローニのような戦術眼と厳格さを備えた監督が、指揮を執っているのだから」

 数多くのチャンスを作りながら、フランスがゴールを決めきれなかった理由を、ガトリフはこう説明する。
「中盤に問題があって、クリエイティブな選手を欠いて、前線にいいボールを供給できなかった。また、慌てて決めきれないことが続くうちに、それぞれが自分だけのプレーをするようになってしまった。ベンゼマもムネズも、後半途中から入ったリベリーも、自分だけでプレーしてチームにならなかった。そこがコレクティブにプレーした日本との違いだ」

 一方、フランス・フットボール誌のフランソワ・ベルドネ記者は、前後半の違いをこう述べる。同誌でフランス代表を担当するベルドネも、サンドニの試合をはじめ幾つかの日本戦をカバーしている。
「日本が良くなったのは、1つにはフランスの変化による。後半の頭からフランスは、ベンゼマとドゥビッシー、マツイディの3人を下げ、ジャレ、バルブエナ、シャントームを投入した。チームは前半とは別のものになった。

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