ザッケローニの3-4-3は日本の武器になり得るのか?(第3回)

第1回、第2回では、3バックを再考するとともに、代表的な「3-4-3」の実例を検証した。第3回以降では、ザッケローニの「3-4-3」のメカニズムと、ストロングポイントとウィークポイントを、「4-2-3-1」と比較しながら検証していきたい。

2013年02月05日(Tue)16時41分配信

text by 河治良幸 photo Kenzaburo Matsuoka
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 第1回、第2回では3-4-3がシステムとしての多様性を持ちながら、いかに攻撃性の強いフォーメーションであるかを述べた。「攻守のバランスが重要」と語る日本代表のザッケローニ監督も、その根本にある志向は例に漏れない。だが、ここで最も重要となるのは、どのフォーメーションを採用するかではなく、採用したフォーメーションを試合の中でしっかり機能させ、チームを勝利に導けるかだ。その点に関して、ザッケローニ監督が3-4-3を日本代表に導入することに関しては確かな期待がある一方で、不安な部分もある。それこそが後編のテーマであり、この先の“ザック・ジャパン”における注目点の1つなのだ。

4-2-3-1だけでなく3-4-3を試行する理由

 ザック・ジャパンは初陣となった10年10月のアルゼンチン戦から4-2-3-1を継続的に用いてアジアカップを制覇した。その一方でアジアカップに先立つ大阪・堺市での国内合宿から3-4-3の指導に着手。

 2011年3月のJリーグ選抜とのチャリティマッチ、6月キリンカップのペルー戦とチェコ戦、そして10月のベトナム戦と4試合のテストマッチ、しかも時間限定で採用してきた。そうした流れの中で、ベトナム戦後の記者会見では「外部が3-4-3について焦らせようとしている雰囲気を感じる」と、温厚な指揮官としては珍しく語気を強めた。

 ここで指揮官が示唆しているのは、3-4-3がそう簡単にマスターできるシステムではないこと、そして柔軟に複数のシステムを変えられるチームを目指していることだ。つまり仮に3-4-3が実戦で十分に使えるレベルまで到達しても、4-2-3-1を捨て去ってしまう訳ではなく、1つの形に固執するつもりはないということだ。

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