ザッケローニの3-4-3は日本の武器になり得るのか?(第2回)

ザッケローニは「必要なときまでとっておく」と、「3-4-3」の可能性を捨ててはいない。はたしてこのフォーメーションは日本の武器となり得るのか? フットボールチャンネルでは、「3-4-3」の特性と日本代表における可能性を4回に分けて検証する。今回は、3バックの再考とともに代表的な「3-4-3」の実例を検証していく。

2013年02月04日(Mon)12時07分配信

text by 河治良幸 photo Kazuhito Yamada
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1トップ2シャドーの形を採るチーム

サンフレッチェ広島 1トップ2シャドー型3-4-2-1


広島が採用するのは中盤に厚みを加えた3-4-2-1。広島の場合、左右のCB がワイドに開いてサイドアタックを仕掛け、またサイドハーフもウィングのような役割を担う。流動的なポジション移動でサイド・中央の両方に厚みを出す。

 前線中央に厚みを作る形として、1トップの背後に2人を並べる3-4-2-1がある。サンフレッチェ広島やセリエAのナポリが該当するが、中盤に実質6人の選手を配置することで、選手の距離感を狭め、かつ多くのパスコースを確保できるのが大きなメリットだ。この形でサイドをいかに使うか、フィニッシュにどう厚みを出すかは、監督や選手の裁量にかかる部分が大きい。

 広島の場合、3バックの左右のCBがワイドに開いてサイド攻撃をすることで、同サイドに数的優位を作り、かつサイドハーフの選手にウィング的な役割を担わせる流動的なポジション移動で、サイドと中央の両方に厚みを出そうとしている。その分、守備にはリスクを伴うが、縦のコンパクトを維持しながら、守備的MFの1人をディフェンスラインが吸収する事で、リスクを管理しているのだ。

 4バックを用いるチームでも、リードを許して終盤を迎えた場合や、どうしても勝利が求められる場合にDFを1人削り、3トップにすることがある。いわゆるパワープレーで、例えばレアル・マドリーのジョゼ・モウリーニョ監督も、緊急時の3-4-3をオプションに持っている。

 ゴール前に3人のFWを並べ、ロングボールを前線に上げてFWに競らせるのだ。ディフェンスラインに守備のリスクは付きまとうが、そもそも攻守のバランスを無視しても、得点を狙うというスクランブルのシステムなのだ。

 3トップ自体は押し並べて攻撃志向の強いものだが、そのアプローチやスタイルは3トップの中の位置関係や各FWに求める動きによって、システムとしての多様性を内包していることが分かる。

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