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ベルギーで奮闘する小野裕二と永井謙佑。地元記者が語る彼らの真価とは?

text by 小川由紀子 photo by Kenzaburo Matsuoka

一時期はメンバー外となるも…

 小野は、チームに合流したその週末、1月24日のKVコルトニク戦で、後半の52分から早くもデビューの機会を与えられ、翌節のアンデルレヒトとの“ベルギー・クラシコ”でも54分から出場した。

 しかしシーズン最大のビッグマッチとも言えるアンデルレヒト戦ではまったく自分の持ち味を出すことなく終わり、次戦以降はメンバーから外れた。日本への一時帰国から戻った永井も翌節のモンス戦で後半77分から出場したが、次戦のチームシートに彼の名前はなかった。


永井謙佑【写真:松岡健三郎】

 翌週からリザーブチームでプレーすることになった2人だが、その行程は決して悲観的なものではなかった。短い途中出場で2人のチームへの順応具合をチェックしたレドニク監督は、フレンドリーマッチに出場させて実戦経験を積ませた。

 そこで小野は1ゴール3アシスト、永井も大量得点とアシストで攻撃手としての存在感を発揮すると、3月9日のルーベン戦では2人揃ってメンバーに名を連ね、地元記者の予想を大きく裏切り、小野は初の先発出場。

 前半ロスタイムに左SBイエル・ファン・ダムが一発退場処分なったことで前半だけで退いたが、22分の2点目のシーンでは頭脳的な体の動きで得点者へのラストパスをうながすなど、才覚を発揮。80分から出場した永井も、ピッチに登場してわずか4分後に4点目のゴールをアシストする勘の良さを披露して、サポーターや地元メディアから絶賛された。

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