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【ロングインタビュー】海を渡ったジャパニーズフットボーラー・赤星貴文「日本人として海外でプレーする意義」【第一部】

text by 長束恭行 photo by Yasuyuki Nagatsuka

サッカー人生における転機となったデビュー戦

――そして2010年夏にラトビア一部のリエパーヤ・メタルルグスに入団しました。最初にラトビアの名前を聞いた時はどう思いましたか?

「最初は本当に『どこ?』という感じでした。でも僕としては、日本でやるよりも外国でやることへのモチベーションが高かったんで、まずは『踏み込んでみる』みたいな。僕からしたらポーランドも最初は『どこ?』という感覚に近かったのですが、抵抗がなくなった分、サッカーをプレーすること自体への不安は全くなかったですね」

――いきなり最初の公式戦がスパルタ・プラハとのチャンピオンズリーグ予備予選二回戦でした。

「あの試合が僕のサッカー人生におけるターニングポイントだったかな、とは思いますね。まだ僕も英語がまったく分からなかったし、チームメイトの名前すら覚えていなかった。僕がどれぐらいの選手なのかが彼らも分からない状態で初戦を迎えて」

――入団から何日後だったのですか?

「10日後ぐらいです。練習にほとんど参加していない状況で最初の試合を迎えたこともあって、正直不安のほうが大きかったです。やっぱりチェコのチャンピオンチームは強かったですし、あの試合で刺激を凄く受けたんですよね。

『ああ、海外に来てこういう試合が経験できるのは、サッカー人生において非常に良い経験にもなる』と。そこからまた一つモチベーションが上がりました。アンセムが流れるのを聞いて、『こういうのを求めていたんだよな、俺は!』と思いましたけどね、正直。ちょっと見失いかけた自分じゃないですけど、もう一回燃え上がるものがそこで見えたかな、という気はしましたね」

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