ベイルの一撃でサウサンプトンは再び苦しい立場に
しかし、肝心の試合はチームにとって幸運から見放された鬱積のたまる一戦になった。CL出場権を目指すトッテナム相手に、中盤のプレスから主導権を握った。前半には右SBクラインが浮き球から抜け出して惜しいシュート。エース、ランバートのFKはポストを直撃した。
だが、最終的に試合を決めたのは皮肉にもサウサンプトンのユース出身のベイルだった。今季、イングランドの最優秀選手2冠に輝いたウェールズ代表は86分、右サイドから切り込むと、左足を一振り。鮮やかなミドルシュートが決まり、サウサンプトンの敗戦も決まった。
試合後のポッチェティーノ監督は内容と結果が相反する試合に「怒りを感じる。私たちは負けに値しない。引き分けではなく、勝てる内容だった」と厳しい表情で話したが、不満を感じるのも当然のことであった。
これで2連敗。しかも、下位のウィガンとアストン・ビラが勝ったため、一時は無縁と思われた残留争いに再び巻き込まれることになった。残る2試合はサンダーランド、ストークといずれも残留争いをする相手。
アルゼンチン人指揮官は「最大の勝ち点を獲得したい。しかし、今日のようなプレーができれば、降格することはないだろう」と楽観的な発言をした。シーズン終盤の現在、各クラブが必要とするのは内容ではなく結果。サウサンプトンに一抹の不安が漂い始めたのは事実だ。
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