金満オーナーの野望はやはり夢物語か PSG監督人事をめぐる“パリ狂想曲”

2013年05月08日(Wed)10時40分配信

text by 小川由紀子 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography / Ryota Harada
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勝利だけでは満足しない金満オーナー

金満オーナーの野望はやはり夢物語か PSG監督人事をめぐる“パリ狂想曲
イブラヒモビッチ【写真:原田亮太】

 ところが、そのおかげで毎試合楽勝かといえば決してそうではない。

 下位のクラブは、PSGとの対戦となれば5バック、時には10人全員で守りを固めてくる。となればいくらイブラヒモビッチを筆頭に強力な攻撃陣を揃えようとも戦術はカウンター中心にならざるを得ない。

 加えて、欧州のトップクラブから来た選手たちは、トロワ、エビアンといったそれまで名前も知らなかったようなチームとの対戦になると、とたんにギアを下げてしまう。そのために実際ソショーやランスのような下位チームに不覚をとった。

 そのような状況の中、欧州のトップクラブの仲間入りを果たす、という壮大な構想の先導者として招かれたアンチェロッティが現場でしてきたことは、名将として戦術的な采配を振るうことではなく、選手のモチベーションを上げ、カウンター攻撃を徹底させることだったのだ。

 ところが親方のカタール勢からは、降格圏内にいるようなチームに破れ、カウンターでしか勝てない地味なプレースタイルにクレームがついた。大金を投じて揃えた面子の割に、圧倒的な攻撃力で相手をねじ伏せるような快勝が見られないことに、オーナー側は不満をあらわにしている。

 アンチェロッティにしてみれば、「これだけ補強したのだから優勝は当然」と圧力をかけられている以上、戦い方はともかく、確実に勝てる手法で白星をとりにいくしかない。そうして勝ち点を稼いだはいいが、内容を酷評される。

 それだけではない。今季、『プチ銀河系集団』と化したPSGに対し、ピッチ上では、ありえないような不当なジャッジが繰り返されている。

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