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失意のまま終わったコンフェデ。吉田麻也は“世界との差”をどう感じたのか?

日本代表のセンターバックとしてザッケローニ体制では守備陣を支えてきた吉田麻也。だが、コンフェデでは失点につながるミスもあるなど苦い思い出となってしまった。吉田は強豪国との差をどう感じたのか? そしてそれをどう埋めようとしているのか?

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography,Kenzaburo Matsuoka

「はらわたが煮えくり返るような気持ち」

吉田麻也は“世界との差”をどう感じたのか?
吉田麻也は“世界との差”をどう感じたのか?【写真:松岡健三郎】

 2012年ロンドン五輪でキャプテンとして日本をベスト4へと導き、念願だったイングランド・プレミアリーグのサウサンプトンへの移籍を勝ち取った吉田麻也。9月の新天地合流後はリーグ戦31試合連続フル出場という目覚ましい成果を残した。

 本人もその経験と1年間の成長を2013年コンフェデレーションズカップという大舞台で示したかったはずだ。だが、ブラジル、イタリア、メキシコの壁は高く、3試合の総失点は9。

「僕自身、コンフェデに経験を積みに来たわけじゃなくて、結果を残しに来たのに何もできなかった。はらわたが煮えくり返るような気持ちで帰らなきゃいけないのは残念です」と悔しさを吐露した。

シーズン終盤に痛めた腹筋から股関節のケガがあって本調子ではなかったのも確かだが、プレーの判断や動きに精彩を欠く場面も多く、彼自身も力不足を実感したことだろう。

 15日のブラジル戦では、ネイマールの先制点は相手を褒めるしかなかった。が、パウリーニョの2点目、ジョーの3点目は防げたと悔やむ。

「パウリーニョにワントラップされているということは、それだけ時間を与えてしまったということ。もったいなかったし、僕を含めて全員がクロスに対して下がりすぎてしまった。ボランチも吸収されてしまったので、マークがはっきりしなかった。

 最後飛び込んだけど、ちょっと間に合わなかった。ジョーの3点目に関しても、スペースを与えたらああいうふうに仕事をしてくるし、僕のミスだけど、あれは不必要だったと思う」と吉田は冷静に失点シーンを振り返る。以前から語っている通り、強豪相手に半歩寄せられるかどうかのギリギリの判断が問われる。その課題に改めて直面したのは間違いない。

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