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Jリーグ 11年前

赤星鷹が川崎へ移籍!? 「オフサイド」「Jドリーム」を手かげた塀内夏子先生インタビュー

『Jドリーム』誕生秘話

――連載当時の話も聞かせてください。Jリーグが開幕する時期に週刊少年マガジンでJドリームが始まりました。主人公の赤星鷹の所属クラブをレッズにした理由は何かあったんですか。

「レッズという響きがよかった。ウ・ラ・ワ・レ・ッ・ズ。短くて、響きがいいでしょ?」

――そういう理由だったんですか。

「あとは比較的近かったので、取材にも行きやすかった。そうやっていくと、クラブも限られてくる。ヴェルディは川崎というよりも読売のイメージだったから。わたし、アンチ・巨人なので(笑)」

――赤星鷹の背番号が「0」だったのは?

「誰かのイメージと被りたくなかったから。例えば10番をつけると、誰々のイメージとかね。それが一番嫌だった。0番はサッカーだとたぶん登録できない番号だったので、それならちょうどいいやと」

――登場するクラブが実名なことも凄いですよね。

「Jドリームを始めるに当たって、クラブの名前をそのまま使わないでくれと編集長が言われたみたいだけど、『嫌だ』と断ったら、『じゃあ、使って良いです』ってなったみたい。ユニフォームも、ロゴもそのまま描いて良かったし、そういう意味では、おおらかな時代でした。今ではありえないでしょう。レッズもどんどん描いてよ、使ってよ、と言ってくれました」

――レッズの選手は実名でも出てますもんね。ただ最初は、Jリーグではなく、プロ野球を舞台にした漫画を描こうとしていたとも聞いています。

「西武ライオンズが昔から好きだったのと、それにプロ野球に比べると、サッカーの日本リーグは盛り上がってなかったから。トヨタカップや高校選手権は見ていましたけど。特に羽中田くん(羽中田昌)が韮崎高校のヒーローで、テレビで見ていてかっこいいなと思って五郎ちゃん(熊谷五郎)のモデルにした」

――Jリーグ開幕時、レッズは弱かったですよね。そのあたり影響は漫画にはどうだったんですか。

「弱い方が描きやすいから。常勝チームは漫画にしても面白くないのよ。それはそれ、漫画は漫画。ただ連敗しすぎて負けた浦和の選手が泣いていたこともあって、そこまでくると愛おしくなってきたけど。何年か前にレッズが優勝するときが来たときは、感慨深かったわね」

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